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【レビュー】 TV on the Radio『Return to Cookie Mountain』

今回のレビューは、米国のバンド、TVオン・ザ・レディオが2006年にリリースした2ndアルバム『リターン・トゥ・クッキー・マウンテン』です。


Return to Cookie MountainReturn to Cookie Mountain
(2006/09/12)
TV on the Radio

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現在進行形のモダン・ロック

9点 マサ太郎(22歳・男) →Blogs Like Teen Spirit 2

前回のお題であったブライアン・ウィルソンの『スマイル』、投稿が間に合えば僕は9点か10点を付けただろう。しかし敢えてあの盤に文句を付けるのであれば、「昔は死ぬ思いで音の鳴りを研究しまくった人が、今は割と普通の技術で普通の録音をしてしまうこと」となる。それに対して今回のお題であるTVOTR、特にこのセカンド・アルバムは、これぞ00年代のロックと呼ぶに相応しい仕上がりとなっている。ニューヨークのブルックリンが生んだ人種の混成、緻密に作り込まれた折衷主義、そしてぶっ飛んだ音響…。アンティバラスのメンバーが持ち込んだアフリカ性もさることながら、黒人音楽への愛情はジャズ、ソウル、ゴスペル、あるいはドゥーワップにまで及び、白人的ロックへの理解はシューゲイザー経由のポスト・ロックにまで及んでいる。反歴史主義的なアヴァン・ロックが注目を集める今のブルックリンにおいて、歴史を踏まえた上で鳴らされる彼らの未来性は、そのポテンシャルにおいて既にレディオヘッドを超えていると言えよう。音の大まかな印象はある種の儀式音楽のようでもあり、愛と笑いが彩る世俗音楽のようでもあり、時代の混乱と悲しみを写し出した実にニューヨークらしいモダンなアート・ロックのようでもある。リスナーの感傷的な被救済体験を主語にすることなく語り継がれるであろう、現在進行形のロック・ミュージックがこれだ。音楽がファーストフードかトレーディング・カードかサプリメントのようになった今の時代に、「尻軽に色々なアルバムを聴くのではなく、一つのアルバムを繰り返すことがより実りあるリスニング体験になる」ということを教えてくれる、実に貴重な一枚でもある。そして、世界で最も待ち望まれていた未知なる新作が、今月23日にリリースされる。その仕上がりがどうであれ、それが今年一番の話題作になることは必至である。


ポールまたぎの宇宙

8点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 いつも無駄なことってやってしまうもので、歩道を歩いているときアスファルトから出ているポールをまたいでみたり・・・いやぁ、無駄なことで思いつくのはそれだけか。
なんでポールをまたぐかというと、股間にポールがあたらないようにポールと股下を調節してまたぐのがボクの日頃の挑戦なのである。なかなか高度な技術を要する。ポールと股間をスレスレでまたぐのがボクの美学で、瞬時にポールの高さを計算してまたぐ。うん、全く高度な技術を要しないね。
 つまりなにが言いたいのかというと、このくだらない習慣がボクの日常の重要な部分を占めていて、ボクと言えばこの何の役にもたたないことを真剣にしている人でこと足りてしまう。こんなこと他人には本当にどーでもいいことに違いないんですよね。
とにかくポールをまたぐのがボクです。
 ということを言っておいて今回のアルバムと何かつながるのかと言えば、ボクにはつながったのです。今回のアルバムを聴いていて音楽ってくだらないなぁって何回思ったことか。このアルバムはボクのほとんどの部分を満たしてしまっている。アルバムを聴いているとボクの人生だーなんて思って、こんな小さなアルバムでボクの人生がつまっちゃうのか? と寂しくなったりもして、でも聴くとスキっ腹がお腹一杯になった感じがして、もういいや、ボクもくだらないし、音楽もくだらないなと思っていたのです。
 ボクのくだらない部分の宇宙が満たされて、さて次はなにをしようか? と思っても何もする気が起きない。でも今回のアルバムでちょっとはみ出せた。今回のアルバムはボクのくだらないポールまたぎの宇宙を満足で満たしてくれて、もっとくだらない、もっとおもしろい宇宙があるかもしれないと感じさせてくれたの!
 そんな小さな宇宙を満たしてちょっとはみ出せるアルバムでした。


化石になった僕の耳を救ってくれ、TV・オン・ザ・レディオ

4点 ササキ・タカシ@管理人(26歳・男)

 「もうマーズ・ヴォルタとナールズ・バークレイとTV・オン・ザ・レディオがいればそれで良くね?」、そう思っていた時期が私にもありました。はい。本作がリリースされた2006年、僕は確かに一瞬でも、少なくとも一瞬でもそう思っていたのです。ところがどっこい、今回レビューをするにあたって久しぶりに聴き返してみたら、一体どういうことでしょう? あれ、あんま、グッと来ないぞ…。いっちょ大絶賛してやっかと思って選盤したのに、このサウンドの白々しさは、空々しさはなん、なん、だ…? たった2年だぞ? たった2年でこうも印象が変わってしまうものなのか? 原因はなんだ? 単に飽きただけ? 一気に時代遅れな音になってしまったのかな? それとも、僕の耳がこのイノヴェイティヴなサウンドについていけなくなったのか? ああ、「ついていけなくなった」! 大いにありうる! 最近、ビーチ・ボーイズとか聴き過ぎなんだよ、俺。いい加減新譜に手を出せよ。新しいもの好きな、珍しいもの好きなお前はどこに行ったんだ? 「TV・オン・ザ・レディオはロックの未来」というメディアの言葉を信じて疑わなかったお前はどこに行ったんだ?
 僕は彼らの音楽を本作一枚しか聴いたことがないのですが、それでも十分、本作に収録されている楽曲が新しいロック・ミュージックのプレゼンテーションとなっていることをちゃんと感じていたのです。非欧米的な民族音楽スレスレのリズム・セクションをベースにソウルの甘美的なグルーヴを突っ込んでノイジーなギターをかき鳴らしつつ音響派ロックみたいなデリケートな処理を施しました、っつう、言ってしまえばそれ幕の内弁当じゃん、っていう身も蓋もない、それでいて今まで誰もなし得なかった雑食性を持った新世代の“ロックンロール”。そう、2年前、本作は他のどのアルバムよりもロックンロールなアルバムだったんです。だって僕、初めて聴いた時、「なんかT-REXみたいだな」って思いましたもん。あ、こりゃグラム・ロックだ、と。もしかしたらデヴィッド・ボウイがゲストで参加してるからそう思っただけなのかもしれませんが、確かに当時は「アークティック・モンキーズの3倍はこっちの方がセクシーでしょ」って思ってたんですよ。アークティックにハマっていたリスナーたちを尻目に、得意気にそう思ってたんですよ!
 いったい、面白くなくなってしまった原因はなんなんでしょうね? 「飽きた」とか「聴く耳のセンスが古くなった」とか、内的要因だけだったら良いんですけどねえ。なんとなくここ2年の欧米のロック・シーンで『雑食的なポップ・ミュージック/アート・ロック』みたいなのが一気に消費され過ぎてしまってるんじゃないか、なんていらん心配をしてしまうんですよね。 今現在でもまだ、TVオン・ザ・レディオさんたちは新世代のロックの救世主として期待されているようですが、果たして今月にリリースされる彼らのニュー・アルバムは、僕の新しいもの好きアンテナを再びピンコ立ちにしてくれるんでしょうか。 ちょっと心配です。だって僕、最近、「やっぱヴァインズは最高だよね」とか思っちゃってるんですよ? ブライアン・ウィルソンの新作聴きました? あれ聴いちゃったら他の音楽なんて聴けねえよ! 嫌だなあ、ヴァインズもブライアンも、最先端な音楽なんて1ミリもやってないんだよなあ。


参考リンク

Blogs Like Teen Spirit 3 ~ポピュラー・ミュージックの過去と未来、そして今を語る~:【第13位】21世紀のロック名盤 (TV On The Radio) - livedoor Blog(ブログ)

TV On The Radio "Return To Cookie Mountain"|Back To Back


Wolf Like Me






今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・TVオン・ザ・レディオの新作『Dear Science』が9月24日にリリースされるので、その予習として。

・日本じゃ地味ですが、欧米では「'00年代を代表する傑作の一枚」みたいになってるらしいですよ、これ。



次回(9月21日更新)のレビューは、
NUMBER GIRL『SAPPUKEI』です。

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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/09/15(月) 02:34:35|
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  4. | コメント:0
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プロフィール

ササキ・タカシ


このブログは、80年代に生まれ90年代の音楽を愛した、心は14歳、体は20代のロック少年が、2000年代に発売されたロック・ミュージックをレビューする感想サイトです。

点数基準
10点→生涯の名盤。
9~8点→夢中になれる傑作。
7~6点→良いアルバムだと思う。
5~4点→普通に聴ける。
3~2点→ちょっと退屈。
1点→良さがわからない。
0点→不快。

2009年5月より、採点の仕方をちょこっと変更。
pitchforkにならって点数を小数点第一位まで表示。
管理人の採点をちょっと甘めにしました。

当ブログで記事を書いていたただける20代の方、募集中です。レビューが書きたくてたまらない方、既に自分のブログをお持ちの方、ロックは好きだけど自分でブログをやるのが面倒臭い方、どんな方でもお待ちしています。むしろロックなんてあんまり聴かないような方、大歓迎です。ご連絡ください。

sasaki004y@yahoo.co.jp

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