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【レビュー】 Red Hot Chili Peppers『By The Way』

今回のレビューは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが2002年にリリースしたアルバム『バイ・ザ・ウェイ』です。


By the WayBy the Way
(2002/07/08)
Red Hot Chili Peppers

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らしくない野心作

7点 まさゆき(25歳・男)

今回からササキ編集長の下で書かせて頂く事となりました、まさゆきと申します。どうぞ宜しくお願いします。リンクさせて頂いているブログ『非社会人的~』もご覧頂ければ幸いです。挨拶&宣伝はこの辺にして、本題へ移りましょう。

「なんでこれを選盤したんだよ~」とか思いながら、整理されていない引き出しを探し、久しぶりに聴いたアルバムです。多くの雑誌で最高傑作の認定を受けている『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』をまともに聴く事の出来ない僕にしてみれば、古くからの熱心なレッチリファンから、「こんなのチリ・ペッパーズじゃない!」とか言われてしまいそうな、メロディーに重点をおいて、コーラスにも大いに気を配った、普通の歌モノですらある本作を歓迎したい。

レッチリらしさ(要はファンクやラップ)を感じられる曲は、誰でも一度は耳にした事のあるタイトルトラックを筆頭に5曲くらいでしょうか。時にはストリングスをはさみ、時には鍵盤を導入したりと、前作から復帰を果たしたジョン・フルシアンテが持ち込んだ(と思われる)音楽性は、一辺倒になりがちだったバンドに新しい風を吹かしたと言えるでしょう。また、それがセールス的には前作を下回っていたとしても、個人的にではあるけれど、音楽的に成功しているのだから称賛したい。特にラストトラックは、メインで歌っている人間以外にレッチリを感じられない、「これがレッチリなのか?」なリアクションを起こせてしまうメロディーとコーラスと展開。思わず5回ほどリピートしてしまった。

簡単にまとめてしまえば、僕は本作がレッチリの最高作だと思っている。それでも、引き出しの奥にしまい込んでしまい、微妙なスコアしか付けられないのは、全16曲で70分弱と中だるみしてしまうアルバム構成。そして、彼らのライブを生で観た事のある人間にしてみれば、その神がかった演奏から発せられた音との開きがあまりにも大きいからである。彼らはまだ決定的な一枚を残せていない。僕にとってはそんなバンドなのだ。


股間に靴下を被せよう。涙が、こぼれないように。

6点 ササキ・タカシ(25歳・男)

 初めて聴いたレット・ホット・チリ・ペッパーズのアルバムは『カリフォルニケーション』で、僕はそれまで彼らのことを「全裸で股間に靴下を被せただけの姿で演奏するファンキーなバンド」というイメージしか持ち合わせていませんでした。俗に言う、“チンポソックス”です。僕は子供ながらに「やっぱり外国のバンドは違うなあ」と思っていて、相当コアなサウンドなのを覚悟して『カリフォルニケーション』を聴いたのですが、果たしてそこで展開されている音は僕のイメージとは違う、とても感傷的なものだったのです。もちろん、いかにも靴下をブラブラさせてるようなファンクなノリの楽曲もあったのですが、アルバム全体に漂うセンチメンタリズムはまるで、モラトリアムの終わりのような、卒業式の日の晴れやかな空のような、優しい悲しさだったように思うのです。
 そして、その『カリフォルニケーション』の次回作にあたるこの『バイ・ザ・ウェイ』。前作にあった優しいセンチメンタルは今作ではさらに強まっています。それはたぶん、素直に彼らはもう“大人になった”ということなのでしょう。過去、メンバーを事故で亡くし、そして新しいメンバーとの出会いと別れを繰り返し、オルタナ・シーンの終焉とともに自らも変化していかなければならなかった敗北感を、彼らはゆっくりと肯定しこのアルバムを完成させたのです。まるで同郷の先人であるビーチ・ボーイズのそれのような切ないメロディと美しく重ねられたコーラス。ブルージーなギター。サイケに彩られたシンセのフレーズ。比較的ファンク色の強い“By The Way”や“Can't Stop”でさえ、もう「あの頃」の無邪気さが少しも感じられません。酸いも甘いも知り尽くした彼らはきっと、カリフォルニアの光と影の代弁者になることをついに引き受け生み出したのが、この傑作だと思うんですよね。
 いやあ、誰だってそうなのです。悲しいこともある。でも、泣いてなんかいられない。だって僕らはもう、大人なのだから。さあ、だからあなたも服を脱ぎましょう。そして、股間に靴下を被せましょう。靴下をブラブラさせながら、この優しくて切ない人生の歌を、一緒に聴きましょう。だってそうでもしなきゃ、きっと涙がこぼれてしまう。全てを受け止めなければいけない切なさに、きっと涙が止まらなくなっていまうのだから。


俺はレッドホットチリペッパーズにはなりたくないよー

5点 永作佳紀(23歳・男)

 ボクは今回初めてレッチリを聴いた。レッチリを普通に聴いていてはおもしろくないなと思った。つまり雨の日のジメジメしているときにレッチリを聴くのがボクの楽しみだった。レッチリの放つ妄想はそのさわやかさゆえに相反するところで聴きたかったのよ。晴れの日に「晴れたらいいな」っていう音楽を聴いても流れてしまうだけみたいな。だからこの晴れ日の音楽は雨の日に聴くのがちょうどいい。
 始めレッチリの音楽はボクにはリアリティがなかった。アルバムを聴いていてさらっと聴けてしまったのが物足りなかった。しかし音楽のイメージは残って気持ち悪かった。その気持ち悪さは今思うと、レッチリに憧れたいということだったのです。30代のスーツのかっこいい男の人が街を歩いているとボクもあんな風にかっこよくなりたいなと憧れたりする。でも絶対あんな風にはなりたくないなとも思う。
 ボクもレッチリに憧れたかった。だってかっこよさがあるような気がしたから。でも晴れの日には憧れられなかったな。だから雨ですよ、ジメジメですよ、レッチリいいやん! と思えた。
 でもレッチリの音楽のようにはなりたくないとも思ったりするのさ。


頑張れ、ティンポ・ソックス。

7点 マサ太郎(22歳・男)

 メロウ、ポップ、ファンキー。そんな、お決まりの三単語で片付けていたレッチリの2002年作を久しぶりに掘り起こし、聴いてみた。そこには、何年か前の自分には見えなかった、新しい『By the Way』があった。楽器未経験者である自分が「目隠しプレイ」でも当てられる程に個性的な4人の担当楽器に加えて、ストリングスあり、エレクトロニック・ビートあり、フラメンコあり、で、しかもほぼ全曲がカリフォルニアを舞台にした人気海外ドラマ『OC』の挿入歌に使えそうな程、キャッチャーな仕上がりを見ていたことに驚いた。が、すぐに意地の悪いもう一人の自分が囁いた。「異常な健康志向で必要のないサプリメントをも大量に摂取する、噂で聞く現代アメリカ人をラップ・ファンク上に反射させたようだ」と。まあ、それはいい。しかし「ファンキーさが薄れた」と嘆くファンは、国内オンライン・ショップのカスタマー・レビューを見る限りでは実に多いようである。
 だが、彼らがベテランのビッグ・バンドにありがちな健康志向&協調至上に染まり、企業倫理の支配下に置かれることを甘んじて受け入れるバンドになってしまったのかと言えば、そうではない。フリーは相変わらずハイパーなベースを弾いているし、アルバムを売りたいのならば、普通、ポップ・アルバムとしては致命傷とも言える「16曲入りの約70分」は避けるハズである。その辺も含めて今のレッチリの状況を手短に指摘すれば、ちょうどこのアルバムの前後から、良くも悪くも彼らはこの道のローリング・ストーンズになってしまったんだろう。それは、どんな曲でも「レッチリ・ブランド」で歌えてしまうアンソニーの力量にも(逆に)問題があると思うが、そんなのは俺がとやかく言うことではない。いずれにせよ、最も印象に残るのは導入曲にしてタイトル曲でもある「By the Way」だ。他にも、才能のあるバンドにしか演出できない幸福な瞬間が何度か訪れる。それをキャッチするだけの集中力が必要なだけ、やはり個人的には7点止まりになってしまうんだけど。


参考リンク

DOGROCK : ⑥を聞くと、くるりのワンダーフォーゲルを思い出す

Love Buzz Red Hot Chili Peppers By The Way

起きロック 寝ロック Red Hot Chili Peppers-By the Way-

MUSIX 18!!!: By The Way

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ 「バイ・ザ・ウェイ」-昔の洋楽が好きなのでつ(^^)

そうずら。 : RED HOT CHILI PEPPERS / BY THE WAY


by the way - red hot chili peppers


Red Hot Chili Peppers - Universally Speaking


the Zephyr Song


Red Hot Chili Peppers - Can't Stop



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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/25(日) 21:36:51|
  2. レビュー
  3. | トラックバック:2
  4. | コメント:7
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コメント

TBありがとうございます。

TB、コメントありがとうございます。
あ、あとよろしかったら自分のブログにもリンクを貼って、相互にしてもいいですか?

よろしくお願いします。
  1. 2008/05/26(月) 11:01:41 |
  2. URL |
  3. shimo_G #mQop/nM.
  4. [ 編集]

>shimo_Gさん

あ、そうずら。さん。
いつもブログを参考にさせてもらってます。
相互リンク、もちろんお願いします。
むしろこっちが「相互リンクにしてもいいすかね?」って厚かましいお願いをしようかどうか迷ってたところです。
またトラックバックさせてしただくこともあるかと思いますので、その時も、よろしくお願いします。
  1. 2008/05/26(月) 21:15:02 |
  2. URL |
  3. ササキ・タカシ #-
  4. [ 編集]

>>ササキさん
TBありがとうございました。
書いた本人がすっかり忘れている記事にTBして頂いてイロイロ思い出しました。
ここのブログ的に言わせてもらうと僕も6点…点数基準は辛口になるなぁ(;´∀`)

レッチリ、活動休止中みたいですね…
また遊びに来ます♪
  1. 2008/05/26(月) 22:30:26 |
  2. URL |
  3. ひばり #-
  4. [ 編集]

TBありがとうございます!
まだブログを始めた当初のレビューでかなり内容が薄いので、改めてレビューしてみようかな、と思います。

あと、勝手ながらリンクさせていただきました☆
よろしくお願いします。
  1. 2008/05/26(月) 23:56:01 |
  2. URL |
  3. オカモ☆ #wUpZTPhQ
  4. [ 編集]

>ひばりさん

こちらこそトラックバックし返していただいてありがとうございます。
いつも更新、楽しみにしてます。

>レッチリ、活動休止中みたいですね…

みたいですねえ。
って言っても、頻繁にアルバム作ってるわけでもなし、頻繁に来日してるわけでもなし、僕らにはあんまり関係ないような・・・
それより僕はまたジョン・フルシアンテにソロアルバム作ってほしいっすね。
  1. 2008/05/27(火) 23:31:14 |
  2. URL |
  3. ササキ・タカシ #-
  4. [ 編集]

>オカモ☆さん

すいません勝手にトラックバックさせていただいて、ありがとうございます。
相互リンクさせてもらちゃっていいですかね?

>まだブログを始めた当初のレビューでかなり内容が薄いので、改めてレビューしてみようかな、と思います。

お、そりゃ嬉しい。
「久しぶりに聴き返してみたら案外聴けた」って声が多いアルバムだったりするんですよねこれ。
  1. 2008/05/27(火) 23:39:42 |
  2. URL |
  3. ササキ・タカシ #-
  4. [ 編集]

>相互リンクさせてもらちゃっていいですかね?
もちろんです。
あまり更新できていませんが、お願いします!
  1. 2008/05/28(水) 23:10:57 |
  2. URL |
  3. オカモ☆ #wUpZTPhQ
  4. [ 編集]

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RED HOT CHILI PEPPERS / BY THE WAY

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  1. 2008/05/26(月) 22:21:24 |
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プロフィール

ササキ・タカシ


このブログは、80年代に生まれ90年代の音楽を愛した、心は14歳、体は20代のロック少年が、2000年代に発売されたロック・ミュージックをレビューする感想サイトです。

点数基準
10点→生涯の名盤。
9~8点→夢中になれる傑作。
7~6点→良いアルバムだと思う。
5~4点→普通に聴ける。
3~2点→ちょっと退屈。
1点→良さがわからない。
0点→不快。

2009年5月より、採点の仕方をちょこっと変更。
pitchforkにならって点数を小数点第一位まで表示。
管理人の採点をちょっと甘めにしました。

当ブログで記事を書いていたただける20代の方、募集中です。レビューが書きたくてたまらない方、既に自分のブログをお持ちの方、ロックは好きだけど自分でブログをやるのが面倒臭い方、どんな方でもお待ちしています。むしろロックなんてあんまり聴かないような方、大歓迎です。ご連絡ください。

sasaki004y@yahoo.co.jp

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