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【レビュー】ELLEGARDEN『ELEVEN FIRE CRACKERS』

今回のレビューは、先日しばらくの活動休止を発表した日本のバンド、ELLEGARDENが2006年にリリースした現在の時点での最新アルバム『ELEVEN FIRE CRACKERS』です。


ELEVEN FIRE CRACKERSELEVEN FIRE CRACKERS
(2006/10/18)
ELLEGARDEN

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爆走の果てに

8点 マサ太郎(22歳・男)

 フェスなんかも含めると、僕は彼らのライブに三回ほど足を運んでいる。今となっては熱心な支持者を辞めて久しいが、今思うと、確かに彼らは雑誌評論的に「面白い」と誉めてもらえるタイプのバンドではなかった。だが、彼らの音楽には、「あの頃のまま生きようとすることによって生じる悲しみ」があった。そう、せいぜい二十数年の人生経験によって純粋に導かれる「いくつかの大切なもの」を、この競争社会の中で純粋に守ろうとすることによって生まれる悲しみが、彼らの爆音の中にはいつもあった。たったそれだけで、僕にとってのエルレガーデンは、例えばストロークスなんかよりも常に重要なバンドであった。
 2007年のメガ・ヒット作にして、彼らの最新作、そして、もしかしたら最終作になるかも知れないこのアルバムも、やはりその例外ではない。バンドのシンガー/ソングライターである細美は、かつてカート・コバーンやトム・ヨークが書いた言葉を一部ではなぞりながら、あるいはグリーン・デイのヒット曲にメロディの一部を借りながら、人生を「終わりなきゲーム」に喩えようとする。あるいは、「勝ちも負けも変わんないさ」と、世の中に蔓延する競争心理を懸命に否定しようとする。そして、そのゲームの中でこれまでに見つけた「いくつかの大切なもの」を、ある時は身を乗り出して守ろうとし、またある時はさりげなく過去形で歌う。やりきれないアルバムである。
 そんな彼らの活動がここに来て停止したことを僕なりに推測すれば、それは彼らが固定化した「答え」を保持したバンドだからだ。僕のこれまでのリスナー経験上、ロック・バンドが音楽的な方向性を操りながら前に進めるのは、自分の中で確立された「答え」ではなく、終わらない「疑問」を持った場合により多かった。しかし彼らはそうではなかった。それについての是非を論じるつもりはない。ただ、彼らが新しいアルバムで目指していたであろう「進化するロック・バンド」のような理想像に、彼らの表現が必ずしも適していなかったのではないかということを、最後に指摘しておきたい次第である。


俺ってかっこいいかも!

5点 永作佳紀(23歳・男)

 かっこいいんだなぁ。疾走感があっていっきに聴けた。でもしばらくは聴かなくなった。身体がエルレガーデンを欲してなかったんだと思う。それはなんとなくわかった。
 今週ついにボクはMP3プレーヤーを買って友達に自慢していた。そしてつねにMP3で音楽をかけていた。友達の女の子と一緒にザゼンボーイズやステレオラブやらを聴いていて、それまで音楽に反応しなかった隣の女の子がエルレガーデンの曲になった途端、「なにこれ? これかっこいいな」と反応した。ボクは「これエルレガーデンって言うの」とさも聴いているのが当然かのように言った。女の子は「こんなの聴くんやぁ」と喜んでいた。そしてボクはいい気分になってかっこをつけてしまった。これがまさにロックでオシャレで男のかっこよさみたいなものを感じるらしい。ボクはなるほどなぁと思った。
 そう言えば高校生の自分に聴かせたら絶対に何回も聴いていたと思う。ボクが高校生のときはエルレガーデンのような音楽をかっこいいと思っていた。とにかく女の子が反応する音楽がいいんだ!って。周りの友達がバンドをしていてエルレガーデンのような音楽をやっていたような気もする。オシャレっぽいっていうのがオシャレだった。「ボクこんなバンド知ってるで」と友達に言って得意げになっただろうな。
 その感じだった。女の子の前でかっこをつけてしまったのは、なんか自分がかっこよくなったような感じがして、自分がもてているような感じがしてしまった。
 家に帰って鏡を見ると、かっこよくなった自分の想像をはるかに下回る自分がうつっていて、姿がかっこよくなるわけじゃないのかとちょっとがっかりした。


どこまでも走っていけるような気がするのよね

6点 荒井ヒロネ(22歳・女)

elevenfirecracckers.jpg



いま体育館ですげえバンドがやってるんだってよ。見にいこうぜ。

5点 ササキ・タカシ(25歳・男)

 想像してみてください。僕たちが今、ちょっとお洒落なブレザーを着た高校生で、日常を忘れるほど楽しい学園祭の真っ最中で、最終日の夜に体育館でおこなわれているバンド・コンテストを見ていて、もし大トリで彼らが登場してこのアルバムに収録されている曲を全曲ノンストップで演奏したとすれば。きっと、誰もが彼らに夢中にならずにいられないはずなのです。誰もがクライマックスで、その楽しさに涙を流すに違いないのです。
 しかして、このアルバム。聴きこめば聴きこむほど、なんて面白みのないアルバムなんでしょう。だって、クレバーすぎる。すでにブレザーを着た高校生でなくなった僕とって、このアルバムで鳴らされているサウンドは、優等生過ぎて面白みにかけるのです。不幸な話ですよ。きっとこの過ぎるほど優等生に作られたプロダクションのせいで、このアルバムはちっともロック的な視点で正しく評価されなかったのです。「超大好きだ~」(ミーハー)か、「アレンジが単調すぎる」(アンチ)か、「邦楽にしては結構いいんじゃない?」(オタク)か。ネット上では、そんな類の感想しか僕は見たことがありません。2000年以降の日本のロックを語る上で、とても重要なアルバムになったはずなんですよ? これ。なのに、なんでこんな批評のしがいのない仕上がりにしてしまったんですか。全11曲32分? 収録時間までパーフェクトじゃないか! 僕は教師の立場で学園祭を楽しみたいんじゃない! 生徒として学園祭を楽しみたいんだ!
 僕にはわかります。すでに空中分解してしまっている彼らの次回作はきっと、彼らの『ラバー・ソウル』に、彼らの『ペット・サウンズ』に、彼らの『ロンドン・コーリング』に、彼らの『ザ・ベンズ』に、彼らの『アメリカン・イディオット』になるはずだったのです。きっと、背広を着た僕ですら汗だくになって楽しめるようなフィスティバルに、殴り込みをかけるつもりだったのです。
 このアルバムは、永遠の高校生かに見えた彼らが卒業を自覚しておこなった、最後の学園祭ライブだったのでしょう。


参考リンク

11月の新曲レビュー - 邦楽レビュー

2006-12-03 - No one’s gonna dive

「ELEVEN FIRE CRACKERS」ELLEGARDEN - たおやめぶりっこ

ELLEGARDEN / ELEVEN FIRE CRACKERS -- [ 邦楽(男性グループ), 娯楽性, ロック, exciting, E, 2006年 ] k-MT : 至福の音

11 Fire Crackers - 何事も(怒りの以下略)

ELEVEN FIRE CRACKERS - のー 音楽 のー 生活 - Yahoo!ブログ

そうずら。 : ELLEGARDEN / ELEVEN FIRE CRACKERS

ELEVEN FIRE CRACKERS - わらしべ☆music

ELLEGARDEN『ELEVEN FIRE CRACKERS』|邦楽新曲レビュー


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テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/05/18(日) 18:39:48|
  2. レビュー
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0
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ELLEGARDEN / ELEVEN FIRE CRACKERS

【五感で音の粒子を広い集めて】 ELEVEN FIRE CRACKERS ELLEGARDEN / インディペンデントレーベル ISBN : B000HD1BCG もうどうだって良くなってしまうなぁ。 自分は古くからのファンではないし、ライブ行った事もないし。 そりゃ大切なものだって事はわか...
  1. 2008/05/22(木) 01:02:44 |
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プロフィール

ササキ・タカシ


このブログは、80年代に生まれ90年代の音楽を愛した、心は14歳、体は20代のロック少年が、2000年代に発売されたロック・ミュージックをレビューする感想サイトです。

点数基準
10点→生涯の名盤。
9~8点→夢中になれる傑作。
7~6点→良いアルバムだと思う。
5~4点→普通に聴ける。
3~2点→ちょっと退屈。
1点→良さがわからない。
0点→不快。

2009年5月より、採点の仕方をちょこっと変更。
pitchforkにならって点数を小数点第一位まで表示。
管理人の採点をちょっと甘めにしました。

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sasaki004y@yahoo.co.jp

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