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【レビュー】 安室奈美恵『Queen of Hip-Pop』

今回のレビューは、安室奈美恵が2005年にリリースしたアルバム『Queen of Hip-Pop』です。


Queen of Hip-PopQueen of Hip-Pop
(2005/07/13)
安室奈美恵Nao’ymt

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真打の登場です

7点 ササキ・タカシ@管理人(25歳・男)

 こればっかりはちょっと本気で文句を言いたいんだけどね、どうして日本のR&B、和製R&Bの女性シンガーの歌っていうのはさ、ああ歌詞が受け身なのばっかりなんだろうね?っていう、さ。 「私はあなたを想っています」とか「あなたといるだけで幸せです」とか「あなたに想いが通じなくて悲しいです」とかって、世界観がまるで演歌と変わんないじゃん? なんか、いかにも男の存在を中心とした“つくす女”な歌詞ばっかりでしょ、愛は男から授かるものだっていうのが前提の歌詞。 だからどんなにバックトラックが良くてもそういうのだったりするとちょっと萎えるっていうかさ、「いや、俺ら別にそんな一途な女性像を求めてねえよ」って思っちゃってまともに曲が聴けないわけ。で、しかも、なんか知らんけどそういう曲の方が現実問題、世の女性たちにはウケちゃったりするわけじゃない? それが意味わかんないんだよなー。みんなそんなに“つくす恋愛”をしたいのかね? 俺が女だったら、もっとフェアな恋愛観の歌詞に感情移入するけどなあ。だから、俺あんまり聴けねえんだわ、J-POPの女性シンガーの曲。ごめんね、オタクっぽいロックした聴かないんだ普段。女の子が聴いてるような音楽に詳しくなくて、ホントごめん。…え、安室? え、ちょ、ちょっと待って、安室、安室ね、安室ちゃんは別、別! 安室ちゃんは例外だよ! 聴く聴く、すげえ聴くもん俺、安室ちゃんのアルバム。いや、もう最高にカッコ良いでしょ。一度落ち目になった人が再びオリコン1位になるって、どんだけ凄いんだよ!ってね。 まあね、そりゃそうですよね。だって単純に、曲が良いもん。日本で安室ちゃんだけじゃん、USメインストリームなR&B/HIP-HOPを歌謡曲として成立させてるのは。PVとか見た? もう、ガンガン攻め(笑)。俺、勃起しそうになっちゃった(笑)。マジで。アルバムで言ったら、そうだなあ、…やっぱ『Queen of Hip-Pop』かなあ。ま、正直、安室ちゃんはその前後の作品、『Style』も『Play』も、あとSUITE CHIC名義のやつも超がつくほどの名盤なんだけどね。ただほら、SUITE CHICのはまだちょっと「やらされてる感」が出ちゃってるし、『Style』はちょっとイナタイ部分が残っちゃってて。逆に『Play』はちょっとコスプレ着ちゃってる感じがするし、やっぱりポップとエッジのバランスが良い按配で出来てるのは『Queen of Hip-Pop』だねえ。だって『Queen of Hip-Pop』だよ? ヒップ・ポップの女王って、なんだそりゃ(笑)。歌姫はたくさんいるけど、女王は一人しかいない、ってことでしょ? そんなのカッコよすぎるわ。もう安室ちゃんのせいで他の歌姫が全員霞んじまうよ。安室ちゃんを前にしたらビヨンセなんて外国人ストリップバーのストリップ嬢だし、倖田來未なんか上野のキャバクラで働いてるキャバ嬢ですよ。あ、俺、酔ってきちゃったかも(笑)。君はR&Bとか聴くの? え、俺? 全然。R&BもHIP-HOPも全然苦手だよ、俺は。聴かない聴かない。…え、じゃあどうして安室ちゃんは聴くのかって? いや、だってもう安室奈美恵って存在には、R&BとかHIP-HOPとかロックとかポップスとか、ジャンルなんて概念は完全に無意味だと思わない? 『安室奈美恵』っていう名のエンターテイメントの女王様なんですよ、彼女はね。


ニッポンを侮るなかれ

4点 タカシ(28歳・男) →Rock ? Stock ? Nonsense !!

 まずエロい。なにがって、歌声がエロい。色気を武器にするアーティストは国内外問わず多くいるが、彼女のそれは他のそれとは違うのだ。たとえば倖田來未が「エロカッコイイ」を提唱しているにもかかわらず音楽は全然エロくもカッコよくもないのとは反対に、安室奈美恵には無意識に自然と滲み出てしまう類の色気がある。しかしそれでいて単に下世話、とは違う。誰かに媚びることの一切が見当たらず、我が道を行くと言わんばかりの歌声には艶がありつつも「威風堂々」という言葉がバチコンはまる。
 いや、そもそも音楽自体が媚びてないんである。「いま」で言うところのR&Bに歌謡曲のフレーズを散りばめ、古代尺八を思わせる音やテクノの音色、さらには東南アジアのガムランの音色すら取り入れた音楽性は、異文化を貪欲に吸収することによって成り立つ現代日本文化的な雑食感覚。音の配置や音質の作り方もまさに日本的。メロディ・ラインもどことなく「和」を感じさせ、味がある。
 パクリと言われても仕方がないほど洋楽の模倣を意識した音楽を作るアーティストが少なからずいるこの国にあって「欧米音楽をただ単に模倣することを、頑なに拒む姿勢」、それに積極的に自覚的なところが窺え、その姿勢もまた威風堂々で「なに、文句あんの?」なんて言葉のひとつも聞こえてきそうだ。
 つまりはJ-ポップというフィールドのど真ん中にいながらにしてどこにも媚びてない。むしろアウトサイダー。でもポップ。音の中を縦横無尽に、ときにしんなりと、エロティックな、しかし高らかな歌声が踊るさまが、なんとも、いいじゃないか。という具合にグッとくる。
 加えるに、王制なんて存在しないここ日本で「女王」と名乗ってしまう悪ノリ極まれりな思い切りの良さ。といっても、このある種日本的な音楽の中にいる安室奈美恵の「女王」は、たとえるなら、欧米のそれではなく和服着用。どちらかといえば、やんちゃな邪馬台国の女王「卑弥呼」的。そんな彼女が海外に乗り込んで華麗に踊っている感じ。おてんばに、かつ、大胆に。エキゾチックに。そこに色気があるもんだから、こんな女王になら従えてもいいけどな、俺は。なんて思えてくる。いや、そういう趣味はないんだが。
 安室奈美恵といえばスーパー・モンキーズとかいうグループのひとりだったよね、という認識しかなく、今回、初めて彼女の作品を聴いた俺。中々いいじゃないか、他の作品も聴いてみようかしら、という感じなのだが、少し残念に思ったのは、過剰にプロデューサーの色が出ているな、ということであった。いや、悪くはないし、良いといえば良いのだが、物凄く良い、とは言い難い。過度に装飾されたサウンド構築という檻の中に入れられるほど、安室奈美恵は小さくないんじゃないか、と思ってしまうわけである。でも、この色気は癖になる。って、結局そっちにいくのか俺は。


安室奈美恵さん、お久しぶりです。

1点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 安室ちゃん聴けなかった。どうも、なんでか聴けなかった。っていうか聴こうとしなかった。邦楽なんてダッセーよ! みたいな感じもあったし、洋楽を真似たような音楽なんか聴けるか! って思っている自分が恥ずかしくて・・・。そうなのである、安室ちゃんを聞く前にそんな先入観があったために聴けなかったのである。
 これはどうしたものか。こんな気分になるのは初めてなのです。他のアーティストではこんな先入観はないのです。
ボクが安室ちゃんを聴いていたのは『キャン・ユー・セレブレイト』ぐらいまででそれから全く聴いていませんでした。そのときはボクにとってはかっこよくて、かわいくて歌も良いし、ってな具合でスーパースターみたいな感じだったのです。好きだったなぁ安室ちゃん・・・みたいな、安室ちゃんのノスタルジーにひたっているだけで十分な感じがありました。だから最近の安室ちゃんの曲にも興味もなかったし、本人にも興味がありませんでした。
 こんな風に自分の文章を読んでいるとなんか気持ち悪い感じがしてきたのでユーチューブで安室ちゃんを見てみました。
 あぁごめんなさい。かっこいい。ボクの気持ち悪いノスタルジーの記憶なんかより断然光っとる。
 安室さんに久しぶりに会った感じです。
 ゆっくり聴いて行こっと。


参考リンク

PONY♂ ENTERTAINMENT INC. 安室奈美恵 「Queen of Hip-Pop」

(ΘωΘ) meryland(ΘωΘ)  Queen of Hip-Pop ♪安室奈美恵

安室奈美恵「Queen of Hip-Pop」(05年)~もう最高ですッッ!~|hirocksの、Happy Life & Free Music

安室奈美恵「Queen Of Hip-Pop」 : 小心者の杖日記






今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・7月30日にベストアルバム『BEST FICTION』がリリースされるので。

・彼女のアルバムの中から本作を選んだ理由は、ササキの記事中に書いてある通りです。

・メインストリームで安室奈美恵より面白いことをやってるロック・ミュージシャンなんて、現状、いないですよね。


次回(8月3日更新)のレビューは、
Beck『Modern Guilt』です。
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テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/07/28(月) 02:39:12|
  2. レビュー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3

【レビュー】 My Chemical Romance『The Black Parade』

今回のレビューは、米国のバンド、マイ・ケミカル・ロマンスが2006年にリリースしたアルバム『ザ・ブラック・パレード』です。


The Black ParadeThe Black Parade
(2007/01/02)
My Chemical Romance

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ジギー・スターダストになることを恐れちゃいけない

5点 ササキ・タカシ@管理人(25歳・男)

 心電図の音から始まり、デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』の“5 Years”みたいな導入部から一気にサビでピンク・フロイド『ザ・ウォール』の“In The Flash”へ。僕は少なからず驚いたんですよね。それまでアニソンみたいなポップなメロディにのせて「僕は大丈夫なんかじゃない!」と絶叫していた単なるエモ・バンドが、いきなりのコンセプト・アルバム。しかもテーマは「死」だってさ。おいおい、君ら一体どうしたんだ? メジャー2作目にして早くも評論家ウケ狙いで来たのか? なんて、ひねくれた見方も少ししちゃったのですけれども、ま、確かに英米のマスコミに対するウケもそれなりに上々だったらしく、この日本ですら普段エモなんて取上げないような著名なライターさんが結構好意的に褒めてたりもしまして、渋谷陽一氏(日本で最も有名な音楽ライターのおじさんの一人)ですら褒めてましたもんね。そうそう、オールドロックファンの人たちが妙に騒いでたのが面白かった記憶があります。
 や、もう、確かに僕も初めて試聴機で1~2曲目を聴いた時は「名盤の予感!」と興奮に胸を膨らませましたよ。残念ながら3~4曲目でその気持ちはちょっと萎んでいってしまったのですが、表題曲となっている5曲目の“Welcome To The Black Parade”、これ、やっぱり時代を象徴するアンセムになってると思います。
 “ポップ”であることを頑なに表明しようとする姿勢は何よりも素晴らしい。この国でも異例の大ヒットとなり、売上げ的には“ポスト・日本人が大好きな洋楽3大バンド(レッチリ、オアシス、レディへ)”の最右翼と見るむきもありますが、本作はそれに見合うだけのクオリティをもっていると思いますから。
 なんか、欧米では彼らのファンの子が本作に影響されて自殺をした、みたいな事件があって問題になっているらしいですね。僕には理解できません。いや、でも思春期に持っていた「死へのあこがれ」みたいなことで言えば気持ちがわからなくもないな。なんにしろ、本気で死にたいなんて思ったことないからな僕は。ぶっちゃけ本作を聴くよりも、『OKコンピューター』とか聴いてた方がずっと死ねるけどな。希望的なアルバムじゃないですか。生きることへの絶望よりも、彼らの次回作への希望を感じたいですよね。ああ、なんか軽いな僕。でもホントに次回作には期待してるんです。一部の好事家が自分の妄想を具体化させるためだけのオモチャに成り下がってしまったロックを、思いっきり解体、再構築してほしい。マイ・ケミカル・ロマンス、それが出来るのは、コールド・プレイと君たちくらいしか、いない。


まあ、確かにある種の傑作ではある。

7点 マサ太郎(22歳・男) →Blogs Like Teen Spirit 2

 ここだけの話、本拠地ブログでやる予定の「00年代の名盤」という企画に、これを入れてみようかと考えている。皆さんご存知の通り、グリーン・デイ目線から見たパンク観と、クイーン目線から見たロック・オペラを下敷きにし、アルバムの構成法をピンク・フロイドの表層から学び、ビートルズとマリリン・マンソンとエモを並列に解釈することで産まれたこのマイケミという新世代のポップは、自意識の処理に悩むアメリカやイギリスの若者のみならず、日本の若者までをも飲み込んでの大フィーバーとなった。確かに、その下世話なまでのキャッチャーさや、安易な歴史理解に基づくメタボリックなスタイルは、多くのロック・ファンを苛立たせた。が、「話の通じない大人に嫌われることこそがロックの条件だ」みたいな仮説を頑張って引っ張ってくると、完全にゴミ扱いな先のリバティーンズやこのマイ・ケミカル・ロマンスというのは、00年代のロックを語る上ではどうしても外せない。

 もちろん、たったそれだけのことでこのアルバムを肯定的に聴いている訳ではない。ただ、陶酔的ですらある自己憐憫が背後に横たわるアルバムのストーリーが、日本にも少なからず生息しているであろうリスト・カット系の若者に届いている事実は、果たして一方的に否定してしまって良いのだろうか?と俺は思う訳である。で、それがどんなストーリーかと言うと、早い話が不安定な自意識を大事そうに抱え、「生きるのが怖い」と泣いていた少年たちが、最後の逃避場所である「死」に向かうパレードの途中、進めば進むほど薄れていく「君」の感覚に絶望し、「やっぱり死ぬ方が怖いわ」と悟って再び人生に立ち向かう、と。まあそれだけなんだけど。また、これは参考までにだが、かつてボブ・マーリーは「ただ嘆くこと」から自身の音楽が始まったと言ったそうだが、現世にアジャスト仕切れないところから始まっているという意味においては、ドラッグ片手に理想郷を目指したリバティーンズとも大きな差はないのだよ。ま、典型的な十代の青春ストーリーでしょうな。


ああバカになる。アホになる。

5点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 これは本当の話である。今週はウォークマンに「マイ・ケミカル・ロマンス」を入れて聴いていました。なにも考えずに楽しくて、思わず聴いてしまうんだな。
そして昨日の18日の金曜日にボクはウォークマンを無くしてしまったのです。どこを探してもなくてなくて、ショックで気が落ちていました。だから今日の休日はウォークマンを探しに昨日の通った道を歩いていました。「あるわけないよな」と思いながら、頭の中には「マイケミ」の曲が流れては、「マイケミを聴いていたから無くしたんだな」と思いながら理不尽に腹を立てていました。無償にマイケミに腹が立つのです。
 昨日行った図書館に行きました。そして図書館の方に聞いたらボクのウォークマンがありました。やっぱりかぁ、よかったなぁと安心しました。若い20代前半の男性の方がボクのウォークマンを持って来てくれました。その男性の方が「マイ・ケミカル・ロマンスを聴かれるんですね」と言い出しました。勝手にウォークマンの中身を見られたみたいで、図書館の人がそんなことしていいのか? と思いましたがウォークマンが見つかったことがうれしくてその出来事を流してしまいました。ボクは男性の方に「はい」と答えました。すると男性は「僕もマイ・ケミカル・ロマンス好きなんですよね」と言い出しました。「実はボクはあまりマイ・ケミカル・ロマンスのこと知らないんですよね」とボクは言いました。男性は目が輝きだして「そうなんですかぁ。いいんですよ。是非他のアルバムも聴いてください。図書館に入っていますから」と言って渋々仕事に戻って行きました。まさか図書館の人が勝手にウォークマンの中身を見ては、仕事中に自分の趣味の話をし出すなんて思ってもみなくてしばらく放心状態でした。変な人でした。今風のかっこいい感じの人でした。
 マイ・ケミカル・ロマンスを聴いていると楽しいだけじゃなくて変なことが起きそうな気分にさせてくれます。なんかオタクっぽい変なことが起きそう。


チラリズムの極意ここにあり

2点 タカシ(28歳・男) →Rock ? Stock ? Nonsense !!

 どうしよう。全然好きじゃないし良いとも思えない・・・。なもんでこの点数。にしても、そもそもロックをほとんど聴かない俺がなにを書く。いやでもさ、だからといって、ツンとした顔でスルーしてしまうのは勿体ないわけですよ。そんなこんなでつらつら書かせて頂きます。ヨロシク。
 しっかし、なんだ、この作品の不良感は。「衝動」すら音楽性になってしまったポピュラー・ミュージックにおいて、まさにこのバンドは「衝動」を『音楽的記号』として確信犯的に使っているんじゃないか、そう思えてならないんである。それって中々面白く、加えて不良性を出しているもんだから、なおさらだ。
 不良性って結構重要なファクターでもあって、テクノ/エレクトロニカの世界で言えばアンディ・ウェザオール、ちょいと昔のジャズで言えばほとんどのアーティストがそれを押し出しているんだが、マイ・ケミカル・ロマンスの場合なんだか違う。それはたとえば音楽性やキャラクター性は異なるものの、E・YAZAWAこと永ちゃんが、時折見せる衝動、不良っぽさを、あくまで「演出」として見せるのと同種のもので、実のところ、キミ、結構、真面目でしょ? という感じだ。
 実際、音楽自体はかなり真面目だ。たぶん、メロコアと呼べる音楽だと思うのだけど、メロディはおとなしいし、歌声にも渋味があり、様々なジャンルの融合にも成功している。涼しげな風に似たギター・サウンドがビュンと胸を突き抜ける。いやあ、清々しい。なんというか、上手い、って感じがある。でも曲の合間に「わーお」と裏声が入っているかと思えばシャウトしたり、へヴィなギター・リフが入っていたりと、つまりは「衝動を思わせる要素」を取って付けたかのように、とまでは言わないが、まぶしているのである。それが不良っぽさをも醸し出しているのだが、ただ、あくまで「っぽさ」であって、それはさながら優等生のガクランの第一ボタン、それを外した時に見えちゃった真っ赤なTシャツみたいもんで、すいません、不謹慎にも笑ってしまった。
 さらには過度に大仰とも言えるドラマチックな展開が拍車をかける。しんなりとした、またはゆったりとした、そしてスピードに乗ったロック・ナンバーが散りばめられ、盛り上がり、その半数はアクセル、アクセル、ノンブレーキ。そんな、たぶん意図して自意識のバロメーター振り切っちゃってる楽曲は、どことなく青春的で勢いもある。が、やっぱり音楽性も音質も音響処理すらもきっちりまとまっていて優等生なんだな。
 このバンドのことを全く知らず、この手の音に対する免疫もなければ、マイ・ケミカル・ロマンスがどこの国のバンドなのか知らん僕(たぶんアメリカだと思うけど違ってたら申し訳ない)が言うのもなんではあるが、このどこまでいっても優等生な音がマイ・ケミカル・ロマンスの特徴として受け取らせて頂いた次第である。「死」をテーマにしているらしいけど、僕はそれを感じなかった。むしろテーマ性より、本作が持つ人間臭さが楽しかった。高校生が突っ走っている様子が目に浮かぶ。ただし、上履のかかとを意図して踏んづけながら。そんなチラリと見える不良感。たまらん。


さらば!ブラック・パレード

7点 まさゆき(25歳・男) →非社会人的会社員が音楽なんかを語る

ロッキング・オン8月号の表紙に「マイケミ、ついにブラック・パレード終焉!」の文字。なんだか懐かしい気持ちになった。本作のリリースは2006年12月なのだから、さほど古いアルバムという訳でもなかろうに。そんな気持ちになってしまうだけ、旧譜新譜を問わずに色々なロックを聴き、年を重ねてきた証拠であり、マイ・ケミカル・ロマンスに対して興味を惹かれなかった事でもあるのでしょう。

マイケミは本作しか聴いた事がないし、特に興味もないので旧譜を聴く気もないのですが、好きでも嫌いでもないですね。う~ん・・・でも、ファンの方の感情を逆なでする気はないけど正直に言うと苦手ですかね。「メタルっぽいから」だとか、「クイーンに影響を受けている」とかそんな事よりも、ロッキング・オンが云うところの「1曲1曲が優れた00年代ロック・ソングとして成り立つ驚異の完成度を誇り」に対して、「それはないな」と苦言を呈したくなるだけ、特に物語の後編における1曲1曲が壮大なくせに印象度は薄い。確かに、タイトル・トラックをはじめ幾つかの楽曲では普通に名曲とか呼びたくなる瞬間も訪れるには訪れるが、それを00年代の代名詞として後世に紹介できるかどうかは大いに疑問。

まあ、個人的にジャケットのアートワークが好みでないとか、あのコスチュームが気持ち悪いとか色々あるんだけど、否定だけをする事も出来ないのも本音。リリース当時は結構話題になったアルバムだと思うし、詳しい数は知らないけどセールス的にも好調だったはずでしょ。売れた音楽が良い音楽とか売れなかった音楽が良くない音楽とか、そういうどうでもいい話じゃなくて、同年リリースされたアークティック・モンキーズのファーストとか、あるいはTVなんかに馴染めなかった人間の音楽であればいいと思う。その内の一人に入っていない僕にとって、死を見つめる事によって生を実感して行く物語が滑稽でもあり、詐欺紛いでもあり、しかし少しだけ感動的でもある。ただ、僕がここに戻って来る事はないだろう。さらば!ブラック・パレード。


参考リンク

No use for a title-音楽雑感記録-:ブラック・パレードへようこそ! - livedoor Blog(ブログ)

Over The Border Famous Last Words

Another Side of MANU.: My Chemical Romance「The Black Parade」

そうずら。 : MY CHEMICAL ROMANCE / THE BLACK PARADE
そうずら。 : MY CHEMICAL ROMANCE / THE BLACK PARADE <日本盤>

Deep Impact The Black Parade / My Chemical Romance

rocketRecords | My Chemical Romance「The Black Parade」

ひながつ | My Chemical Romance「The Black Parade」

まい・ふぇいばりっと・あるばむ:マイ・ケミカル・ロマンス - livedoor Blog(ブログ)

MUSIC & MUSIC:53. My Chemical Romance 『The Black Parade』 (41) - おすすめ洋楽CDレビュー From 札幌

Love Buzz My Chemical Romance/The Black Parade


The Black Parade - My Chemical Romance


I Don't Love You - My Chemical Romance


My Chemical Romance - Cancer


My Chemical Romance - Teenagers


My Chemical Romance - Famous Last Words





今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・7月23日に本作を中心としたライブ・ツアーの模様を収めたDVD『ザ・ブラック・パレード・イズ・デッド!』が発売されるらしいので、弔いということで、ひとつ。

・おそらく、2000年代後半のロック・アルバムの中で一番「ポップ」なアルバムになると思うんですよね。

・本作も結構、知名度のわりには客観的な視点で語られることが少ないアルバムだと思ってたんですよね。


次回(7月27日更新)のレビューは、
安室奈美恵『Queen of Hip-Pop』です。

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/07/22(火) 00:39:03|
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【レビュー】 The Avalanches『Since I Left You』

今回のレビューは、オーストラリアのバンド、ザ・アバランチーズが2001年にリリースした1stアルバム『シンス・アイ・レフト・ユー』です。


Since I Left YouSince I Left You
(2004/07/13)
The Avalanches

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初めての興奮

9点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 最近はウォークマンで音楽を聴くことに抵抗を覚えていました。ウォークマンがあると常に音楽が聴けてね。会社への通勤時間が楽しいしね。テンションが下がっているときには音楽に助けてもらってね。そんな具合でウォークマンを常に耳にしながら歩くのが当たり前になっていました。
その一方でウォークマンを耳にしていると外の音が聴こえ辛くなりました。生活の音が聴こえなくなって音楽が常にあって、目に映る景色が違って見えるようになりました。「やっぱり音って目に映る景色を変えるんだ」と思っていました。そう思ってからウォークマンで音楽を聴くのが退屈になったのです。たくさんの音楽を聴きたいと思っていて、音楽はやっぱりおもしろく感じるのですが、音楽を聴くモチベーションが下がってきていたのです。そしてウォークマンを外して通勤をしたとき、聴こえてくる生活の音に大興奮してしてしまったことも理由やね。いろんな音が聴こえてくるのよ。通る道によって聴こえてくる音が違うのよ。それがおもしろくておもしろくて。ウォークマンをしながら歩くのがもったいなくなってしまいました。でもウォークマンで音楽を聴かなかったら音楽を聴く量が断然少なくなります。それも残念なのです。最近は音楽を聴くより環境の音を聴くほうがおもしろかったのです。
そこで今回の課題のアバランチーズですよ。万歳! 大興奮しました。生活の音に興奮したときとはまた違う興奮。やっぱり音楽ってすごいなぁと思わせてくれたのです。もう、なんでもあり感が漂ってきて、予想のつかないリズムだったり音だったりで楽しくて楽しくて。良い映画を観終わったときの疲れた感じも心地良くて、音楽でこんな感じになれたのは初めてでした。一期一会の生活の音に出会う感じのアバランチーズの音楽。ああやっぱり音楽ってすげぇや。アバランチーズすごいや。


思い出がいっぱい

5点 ササキ・タカシ(25歳・男)

 初めて聴いた時、「ああ、なんで今までこんな素晴らしい音楽を敬遠していたんだろう」って後悔したんですよ。ジ・アヴァランチーズ。この2008年の世の中で一体どのくらいのリスナーが彼らのことを憶えてるんでしょうね。発売当時はかなり話題になってたらしく欧米のみならずここ日本でもそれなりの評価を得ていたみたいで、ミュージック・マガジン誌の年間ベストのロック[イギリス/オーストラリア]部門で第5位、スヌーザー誌の年間ベストで第4位、手元に資料がないのでわからないんですけど確かBUZZ誌やクロス・ビート誌でも年間ベストにもランクインしていたと思います。でも、僕が初めて聴いたのは一昨年の夏でして、そうですね、ちょうど今みたいな暑さのピークが来る前の時期ですね、youtubeでタイトル・トラックの“Since I Left You”の素晴らしいPVを見てえらく感動したんですよ。それで本作を毎日のように聴いたんだよなあ。それからは昨年の夏も、今年の夏も、気温が25度を超える頃にふと“Since I Left You”のメロディが頭によぎるんですよね。
 僕が発売当時2001年に本作を敬遠していた理由は明白で、本作が「900以上のサンプリングソースのみで構成されたアルバム」って触込みだったからなんです。まだ10代だった僕にはそれがどんなもんなのか想像できなかったし、何よりそんなもんが面白いだなんて少しも思えなかった。ま、仕方がないよな当時の僕。お前はJ-POPとギター・ロックしか聴いてなかったしな。それどころか、クラブ・ミュージックとかヒップ・ホップにほんのり嫌悪感を抱いてたしな。いやあ、若かったなあ、当時のお前は。お前にも聴かせてやりたいぜ、夏の思い出が万華鏡のようにきらめくこのアルバムを。
 オーストラリアのメルボルン出身の6人組ジ・アヴァランチーズのデビューアルバムである本作は、無理矢理ジャンルで括ればブレイク・ビーツかなと言える音で出来たパーティ・アルバムです。前述したように既成のサンプリングソースのみを使って全18トラック、ノンストップで切れ間のない、アルバム全体で一曲とも言えるようなコンセプトアルバムとなっています。サンプリングされているのはマドンナやデ・ラ・ソウルとからしいですけど、残念ながら僕には元ネタがひとつもわからなかった。でも凄いことですよね。サンプリングのみで曲を作るだなんて、許可取るだけでもかなりの苦労だろうに。二次使用にうるさそうなあのマドンナが、曲を聴いたその場でサンプリングの許諾を一発OKしたっていう逸話があるらしいです。ちょっと感動。
 ブレイク・ビーツといってもゴリゴリとしたものではなく、まるでソフト・ロックのような優しくてちょっぴりサイケな感触。初夏の空気を吸い込んだ時の躍動感と、夏の終りに感じる切なさのが入り交じった懐かしきフィーリング。そう、多分、これは記憶の音楽なのです。サンプリングされているの単なる音ではなく、それにまつわる思いや記憶の断片。新しい世界の船出を思わせるような展開から感じるのは、人間が有史の中で繰り返してきた夏の日の出会いと別れ。
 なんてポジティブで革新的な音楽なんだろう。本作に続くようなポップ・ミュージックがいまだに作られていないのは残念なことです。当の本人たちも、本作を一枚リリースしたきり現在まで沈黙中。うわさでは昨年の時点で2ndアルバムを完成させたみたいなことを聞いたんだけどな、どうしんたんだろうな。早く次回作をリリースしてくれると嬉しいけど、でもま、本作を聴いて気長に待つことにするよ。もう初めて聴いた時のような驚きはないけど、きっと夏になるたびに、本作を聴きかえすだろうな。飽きないですよ。それはたぶん、本作が確実に色あせることのない僕の夏の日の思い出の一部となってきてるからなんじゃないかなあ、なんて、思うんですよね。


The Avalanches - Since I Left You


The Avalanches - Frontier Psychiatrist (Good Quality)






今回の選盤理由(ササキ・タカシ)

・えー、正直今回は理由なんてないです。あえて言えば、夏だから。

・本当はタヒチ80の1stをやるつもりだったんですけど、あれ、オリジナル盤は1999年リリースらしくて、「2000年以降のアルバムをレビューする」ってコンセプトに反するのもどうなんかなあって思い、似たようなフィーリングの本作を選んだ次第です。

・永作くんがコーネリアスとかDE DE MOUSEとか好きらしく、「じゃあこういうのはどうよ?」みたいなことで。

・ホントにね、2ndアルバム、いつでるんでしょうねえ。



次回(7月20日更新)のレビューは、
My Chemical Romance『The Black Parade』です。

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/07/14(月) 04:06:54|
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  4. | コメント:10

レビューで点数を付けることについて

レビューで点数を付けることについて

管理人のササキです。

既にお伝えしました通り、故障していたうちのパソコンが修理から戻ってきました。
意外に早く戻ってきたので良かったです。
いろいろお騒がせいたしまして申し訳ありませんでした。

故障中の時にゆるぅく更新したチャットモンチーとThe Libertinesのレビュー記事をいろいろ編集し直したました。
と言っても、あんま変わってないんですけど。
それで、「あれ? 投票するやつはどうしたの? やめたの?」とツッコミが入ったのですが、あれ、やめました。
以前の記事中にあったじゃないですか? 読者の皆様に点数付けてもらうやつ。
あれをやるのはまだ早いと思ったんですね、うちのブログでは。
参加してくださった方、ご投票ありがとうございました。
機会を見て、また復活させたいと思います。

しかし、点数を付けるのって、どうなんでしょうね。
いや、ほら、うちのブログのレビュー、なんの疑問もなく10点満点で採点してるじゃないですか?
最初は単に、僕が選んだアルバムの感想を永作くんと僕が書くってことだけをやるつもりだったんですけど、「点数付けた方がわかりやすいし、面白いよね」ってことでイージーに採点することにしたんですよ。
でもね、最初の時点でもうちょっと10点満点評価に対する是非を検討すべきだったなと、いまさらながら思ってるわけです。
だって音楽なんて、とりわけポップ・ミュージックなんて、完全にナマモノなわけじゃないですか?
僕、ゆらゆら帝国の『空洞です』の採点にもの凄く苦労したんですよ。
あれ、聴くシチュエーションによっては「8点だ!」って思える瞬間もあるし、逆に「あれ? そんなに面白くないや。3点」って時もある難儀なアルバムなんですよね。
だからね、そんなナマモノたる音楽にですよ? 果たして絶対値で評価を下してしまって良いものなんでしょうか、っていうね、そういう疑問が、ちょっとありまして。
現時点では採点の基準は各レビュアーさんたちにおまかせしているのですが、みなさん、どう思ってるんでしょうかね。
まさゆき氏が『空洞です』のレビューを点数なしで寄越してきて時は「ちくしょう! その手があったか!」とちょっと悔しい思いをしたんです。
採点すべきものに対して「採点できない」って意思を表明することは、場合によってはどんな点数をつけるよりも具体的で明確な批評になりますから。

ま、とにかく、今のところ点数評価をやめるつもりはないんです。
だって、ねえ、やっぱり点数とか付いてた方が、刺激的ですよ。
自分の文章能力の不足を補うためにも、点数とかわかりやすいバロメーターが必要ってのもあるんですけどね。

ちなみに僕、ミュージック・マガジンの10点満点評価とかクロス・ビートの五つ星評価とか、あんま信用してないです。
ああいうのは色々オトナの事情みたいなのも少なからずあるんでしょうし。
それはいいとしても、彼らって点数の付け方が甘いですよ!
ミューマガのなんて最低点数5点なのかよ! っていう、ねえ。(保母大三郎氏のオモシロレビューは例外として)
CBなんて最低点数★★☆かよ! っていうね。(たまに「★☆」とかビックリするような低いのもありますが)
もっと大きな範囲で優劣をつけなきゃ採点なんてする意味ないですよね。

とかなんとか言いながら、このブログの過去のレビューをズラっと振り返ってみましたら僕も5~8点の点数しか付けてないや。
だははー、テキトーだなあ自分。
や、でも言い訳させてもらいますと、当たり前じゃないですか、こういう点数になっちゃうの。
だって僕がお題を選盤してるわけですから、僕の気に入ってるアルバムばかりレビューしてるんです。
僕の採点基準は、今まで僕が聴いてきた全てのアルバムの平均点が4.5点くらいになるような感じでやってます。
基本的に評判の良いやつか自分が好きなアーティストのやつしか聴かないので、平均点以上のは「かなり聴ける」アルバムだと思ってください。
9点なんてよっぽど思い入れがあるのしか付けられないし、10点なんて最初っから付ける気ないです。
あんまり高得点ばかり付けちゃうと、本当に素晴らしいと思った作品の点数を付ける時に困っちゃいますからね。
11点以上は付けられないわけだから。

言い訳というわけではございませんが、ここ1~2年で僕が「それほどでもないな」と思ったアルバムを下に書きます。
個々の批判をすることには興味ないので、コメントなしでただただ羅列させてください。


ザ・フィーリング『ザ・フィーリング』 3点
トム・ヨーク『ジ・イレイザー』 4点
YUI『FROM ME TO YOU』 3点
オルソン『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』 4点
ルースター『サークルズ・アンド・サテライツ』 3点
ザ・グッド,ザ・バッド・アンド・ザ・クイーン 3点
パール・ジャム『パール・ジャム』 2点
ベル・アンド・セバスチャン『ライフ・パースート』 3点
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『ステイディアム・アーケイディアム』 4点
ザ・ストリーツ『ザ・ハーディスト・ウェイ・トゥ・メイク・アン・イージー・リヴィング』 2点
エール『ポケット・シンフォニー』 3点
カイザー・チーフス『アングリー・モブ~怒れる群集』 3点
パニック!アット・ザ・ディスコ『フィーバーは止まらない』 2点
ハイラマズ『カン・クラッダーズ』 3点
ザ・ロング・ブロンズ『サムワン・トゥー・ドライヴ・ユー・ホーム』 3点
ファウンテインズ・オブ・ウェイン『Traffic & Weather』 3点
鈴木亜美『CONNETTA』 3点
イギー・ポップ&ザ・ストゥージズ『ザ・ウィヤードネス』 3点
ストレイテナー『リニア』 1点
アイドルワイルド『メイク・アナザー・ワールド』 2点
マニック・ストリート・プリーチャーズ『センド・アウェイ・ザ・タイガーズ』 4点
THA BLUE HERB『LIFE STORY』 3点
ロックスリー『ドント・メイク・ミー・ウェイト』 3点
100s『ALL!!!!!!』 2点
ASH『トワイライト・オブ・ジ・イノセンツ』 4点
シミアン・モバイル・ディスコ『アタック・ディケイ・サステイン・リリース』 4点
リンキン・パーク『ミニッツ・トゥ・ミッドナイト』 4点
ポール・マッカートニー『追憶の彼方に~メモリー・オールモスト・フル』 4点
Mr.Children『HOME』 3点
ザ・ピジョン・ディテクティヴズ『ウェイト・フォー・ミー』 3点
ザ・トゥワング『ラヴ・イット・ホエン・アイ・フィール・ライク・ディス』 3点
スマッシング・パンプキンズ『ツァイトガスト』 1点
ファイスト『リマインダー』 3点
ジ・エナミー『ウィル・リヴ・アンド・ダイ・イン・ジーズ・タウンズ』 3点
ザ・クロマニヨンズ『CAVE PARTY』 4点
エイミー・ワインハウス『バック・トゥ・ブラック』 3点
イエティ『ユメ』 4点
M.I.A.『カラ KALA』 4点
ロバート・ワイアット『コミックオペラ』 2点
フー・ファイターズ『エコーズ,サイレンス,ペイシェンス・アンド・グレイス』 3点
ザ・ナショナル『ボクサー』 4点
東京事変『娯楽(バラエティ)』 4点
ザ・ランブル・ストリップス『ガールズ・アンド・ウェザー』 3点
ブルース・スプリングスティーン『マジック』 3点
ザ・ピペッツ『ウィ・アー・ザ・ピペッツ』 4点
ジャック・ペニャーテ『マチネ』 3点
9mm Parabellum Bullet『Termination』 4点


以上、点数つけるのって傲慢だけど刺激的で楽しいよね、ってお話でした。

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  1. 2008/07/08(火) 23:52:56|
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【レビュー】 ゆらゆら帝国『空洞です』

今回のレビューは、7月2日に初のリミックス盤『REMIX 2005-2008』をリリースしたゆらゆら帝国の、2007年リリースの最新オリジナルアルバム『空洞です』です。


空洞です空洞です
(2007/10/10)
ゆらゆら帝国

商品詳細を見る



2008年7月、空洞はまだまだ続く。

8点 マサ太郎(22歳・男) →Blogs Like Teen Spirit 2

 ライブドアの本拠地ブログ(リンク参照)において、「最近の若手からは喜怒哀楽の表現衝動を感じない」という主旨の記事を書いたが、それはなにも若手だけに限った問題ではない。「ただ何となく生まれて何となく消費されて何となく消えていく音楽」が、今あまりにも垂れ流されているように思える。いや、もしかしたら、人間の感情こそがその弾力性を失い、芸術表現の根源としての機能を既に果たしていないのかも知れない。では、いわゆる先進国に生きる人間たちは、もう十分な程の自由や幸福を手にしてしまったのだろうか?少なくとも俺は、そんなことは絶対にないように思う。
 例えばプライマル・スクリームのボビー・ギレスビーは、『スヌーザー』誌のインタビューにおいてこう答えている。「人は自由になんかなっていないよ。ただ、欲しい物をそれなりに買えるだけの金を持っただけさ」と。「何かが欠落したような感覚」を、ただ物欲を処理することで満たす。その一時の解放感を自由と履き違えて。我々の享受するこの現代的な生活は、高度資本主義の奴隷だとも言われる。足りないのは時間か、金か、それとも愛か。そんな今の捻れた気分を反映してか生まれた、ただ「何かを欲すること」を徹底的に放棄したロックがここにある。
 得意だったハズの鼓膜破壊型ファズ・ギターがまろやかなトレモロへと変わり、各楽器においてもテクノ譲りのミニマリズムが徹底的に貫かれている。ルーチン、ルーチン、ただルーチン。それは、さしずめ適度に飼い慣らされた奴隷としての現代人、あるいは都合よく矯正された資本としてのミュージシャン。今は「敵が見えない時代」だと言われる。確かに安倍は異常だった。が、「反体制こそがロック」なんて、もうギャグにすらならない。そんな状況下にあって、坂本慎太郎は苦い現状認識スレスレの言葉を曖昧に転がし、「敢えて抵抗しないこと」を歌う。
 「まだ生きている」という曲名も示唆的だが、「できない」というのもなかなかショッキングだ。そして「67年以降の音はとても聴けない」というサイケ人間・坂本慎太郎の現在地として申し分ないモダン・サイケ・ナンバー「学校に行ってきます」を抜けると、途方もない虚脱感に襲われる。「ひとりぼっちの人工衛星」と名付けられた、孤独な人工衛星に立場を借りるその曲において、主人公は暴力がまかり通ったこの惑星をただ眺めている。もちろん、人工衛星になるところにある種の諦めはあるが、地球から離れられないところには優しさと愛情がある。
 最近は失言をキッカケとする芸能人ブログ炎上や、事務所サイトに寄せられる大量の抗議書き込みというものも珍しくなくなったが、何となく薄気味悪い気がするのは俺だけだろうか?何となく、みんな「反撃が来ないところ」に攻撃対象を求めているだけのような気がするのだが。あるいは、無意識の内の政治の独走や思想の統制化がカジュアルに進行しているようにも思える。そんな中、「敢えて積極的に無自覚になること」を提案したゆらゆら帝国の存在は貴重だ。これこそクロス・レビューの題材として相応しい。そして、空っぽな空気が無表情な国を覆うこの2008年においても、俺はこの『空洞です』をただ聴き続いている。


まぁいいかぁ~

6点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 ゆらゆら帝国の『空洞です』といえば・・・
 大学4年生の8月の上旬だったなぁ。
夜、家に帰って来て仮眠をとろうと思ったらがっつり寝てしまった。パソコンの電源をつけっぱなしで寝てしまった。朝の5時くらいに目が覚めた。そのとき、つけっぱなしのパソコンから「ゆらゆら帝国」の『空洞です』が流れていた。
 エアコンをかけないで窓も閉めたままで眠ってしまったため起きたら汗がびっしょりだった。朝の早い時間だったので夏でも空気が冷たくて汗がヒンヤリ冷たかった。
 まだ寝足りないと思いながら夢見心地で冷たい空気を感じながら、パソコンから流れる『空洞です』を頭のテッペンらへんで聴いていた。
 空が茜色で夕方か朝かわからなかった。ボクは「どっちでもいいや」と思った。今日は友達と映画の撮影のために7時に起きなくちゃいけない。でもボクは「まぁいいか、起きなくても」と思った。お腹が減っているけど面倒くさいから何も食べなくていいやと思った。でものどが渇いていたから水は飲もうと思った。水を飲むために立ち上がってペットボトルに口をつけて水を飲んだ。そしてまた床に寝転んだ。
「ああ、水なんて飲むんじゃなかった」
水を飲んだことに後悔したのではなくて水を飲むために立ち上がったことに後悔をした。あのどこから夢でどこから現実かわからない絶妙な緊張感はなくなっていた。「ゆらゆら帝国」が遠くに聴こえる。もう聴けない。
 ボクはパソコンを消してラジオをつけた。そしてボクはまた眠りについた。
 しばらくして、ボクはまたボンヤリと目を覚ました。さっきとあまり外の景色が変わっていない、茜色の空。ラジオからは『おはようまだやろう』が流れていた。今日はとことん「ゆらゆら帝国だなぁ、こんなこともあるんだ」と思い、ちょっと笑ってしまった。
 外からはアパートの大家さんの子どもの「ただいまー」と言う声が聞こえてきた。「もう夕方かぁ」と思ったが寝すぎて身体がグッタリしていたため動く気にもなれない。一日を無駄にしてしまったが、「それもまぁいいかぁ」とボンヤリと思った。


アンビエント帝国

採点不能 まさゆき(25歳・男) →非社会人的会社員が音楽なんかを語る

個人的に今月は「積極的にロックを聴かないでいよう月間」の為、久々にロックが聴けると思ったのに。ゆらゆら帝国って何処なんだ?坂本慎太郎って誰なんだ?とにかく僕とは縁のないバンドだった。かなり昔に、CDだったかMDだったかは忘れたけど、友人からアルバム一枚収録された音源を貸して頂いて聴いた時の僅かな記憶を辿ると、少なくてもこのアルバムよりかは普通にロックをしていた様に思う。これはその頃聴いたものとは大分印象が違う。ツタヤではJ-ロックコーナーに置いてあったけど、僕が普段よく聴いているロックのどれとも違う。ブルース?ラップ?違うな。あえて言うならこれは、言葉があるアンビエント・ミュージック、あるいは言葉によるアンビエント・ミュージックなのか。

もっともブライアン・イーノすら「空港のための音楽」しか聴けていないので信用度はゼロな訳だけど、同じフレーズを永遠と反復させるミニマルなギターを聴いていると、あのアルバムを思い出してしまう。ロックと呼ぶにはあまりにも弱々しく、しかし何かしらの意志はもっている様に感じられる。だけなのかもしれん。始まりはあったけど終わりがない感じ。僕はタバコを吸うのですが、会社なんかにライターを持って行くのを忘れて、でも外に買いにはいけない。禁煙ブームの社内で周りにライターを借りられる喫煙者がいなくて困ってしまい、机の中とかロッカーなんかを永遠とマッチやライターを探してみたりするグダグダな感じ。そんな歌が聴こえてきた。

今回、スコアは付けられませんでした。他のアルバムも聴いてみたいと思いました。


矛盾している

5点 ササキ・タカシ

 どうしようもない音楽だ。「適度にフリーな奴隷が俺だ」なんて唄われたら、文句のひとつもいえない。おまけに「お前だって、そう」なんて続くもんだからさらに胸糞が悪い。そうだよ、あんたらがどんなに人とは違うスタイルで音楽を作っても、ポップ・ミュージックのフォーマットを逸脱するものなんて作れないよ。聴いたこともない音が生み出されるだなんて誰も信じてないし、何より誰も聴こうとしないよね、そんなもの。結局、西洋音楽に耳を慣れ潰された消費の奴隷ってわけだ、僕たちは。どんなに雑食的なリスナーを気取ったとしても、たった12個の音階で表現できてしまう音楽以外を僕は聴かないし、聴こうともしていない。「片意地張って知ったかぶりすんなよ」って? カンベンしてくれ。並みのリスナーよりも幅広いスタイルの音楽を愛することができる、っていうのをアイデンティティにして今まで音楽を聴いてきたんだ。今さら“ただ聴こえてくる音楽を楽しむ”だなんて、そんなことできるわけがないよ。
 どどのつまり、あんたらは何がしたいんだ? 本当に、抵抗をすることを止めてしまったのか? あんたらを大絶賛していた連中が、このアルバムについてこんなことを言ってたよ。「ロック的なカタルシスやダイナミズムやドラマ性やハッタリや過剰な語り口を一切排した」って。本当にみんな、そんな風に思ってるのかな? 少なくとも僕には、このアルバムに収録されている楽曲は十分ドラマティックに聴こえるよ。甘ったるい、砂糖を溶かしたぬるま湯に入っているような気持ちよさに溢れた傑作だ。ん、いや、前言撤回。傑作だなんて微塵も思ってないさ。こんな“なんにもない”音楽が商品として成立してるなんてとても思えない。うん、わかってる。言ってることが矛盾してるな。「ドラマティック」とか言ったり、逆に「なんにもない」とか言ってみたり。でも、どうしようもないんだよね。だってこのアルバムは、ある時には凄く刺激的に聴こえるし、またある時には酷く退屈に聴こえてしまう。挙句の果てには、聴いていてどうしようもなく腹が立つときすらもあるんだ。
 客観的に考えると、口うるさいロック・リスナーしか好んで食べないようなニッチなオカズと化しているのがこの『空洞です』です。そういう意味で、くるりの近作やZAZEN BOYSの諸作と同様の退屈さを僕は感じてしまう。ムカつくなあ。本作を訳知り顔で絶賛している連中と、必死に否定しようとしている自分、両方、ムカつく。やっぱり、飼い慣らされすぎてるんだな。『空洞です』に蔓延しているぬるま湯の気持ち良さを素直に受け入れるには、まだあまりにも、時間が、足りなすぎる。


参考リンク

Blogs Like Teen Spirit 2 ~現役理系大学生がエセ文系っぽく語るロックやらソウルやらヒップホップやら~:【新譜】中堅世代のネクスト・ビジョン (ゆらゆら帝国) - livedoor Blog(ブログ)
Blogs Like Teen Spirit 2 ~現役理系大学生がエセ文系っぽく語るロックやらソウルやらヒップホップやら~:【序章】今こそ振り返ろう、邦楽ポピュラーこの10年。 (ゆらゆら帝国) - livedoor

Hirosixx's Music Library | ゆらゆら帝国 "空洞です"

ゆういちの音楽研究所: 空洞です/ゆらゆら帝国

MEZURASHIYA NEWS - 珍屋 ニュース:ゆらゆら帝国 『空洞です』 - livedoor Blog(ブログ)

ゆらゆら帝国 / 空洞です - bounce.com レビュー

ゆらゆら帝国「空洞です」|人生は音楽だ

Have You Ever Been Experienced? ゆらゆら帝国/空洞です(2007)

空洞です/ゆらゆら帝国 - 氏 B A R 。

ケニーの気持ち:ゆらゆら帝国/空洞です - livedoor Blog(ブログ)

茜ユリの恥日記 ゆらゆら帝国 7thアルバム「空洞です」






今回の選盤理由(ササキ・タカシ)

・7月2日にリミックス盤の『REMIX 2005-2008』が発売されたから、ちょうどいいかなと思って。

・個人的には前作『Sweet Spot』の方が好きなのですが、語るならこっちかな、と。

・このアルバムに点数を付ける行為って、ものすごい踏み絵だと思うんですよね。



次回(7月13日更新)のレビューは、
The Avalanches『Since I Left You』です。

テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/07/07(月) 02:31:03|
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  4. | コメント:3

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プロフィール

ササキ・タカシ


このブログは、80年代に生まれ90年代の音楽を愛した、心は14歳、体は20代のロック少年が、2000年代に発売されたロック・ミュージックをレビューする感想サイトです。

点数基準
10点→生涯の名盤。
9~8点→夢中になれる傑作。
7~6点→良いアルバムだと思う。
5~4点→普通に聴ける。
3~2点→ちょっと退屈。
1点→良さがわからない。
0点→不快。

2009年5月より、採点の仕方をちょこっと変更。
pitchforkにならって点数を小数点第一位まで表示。
管理人の採点をちょっと甘めにしました。

当ブログで記事を書いていたただける20代の方、募集中です。レビューが書きたくてたまらない方、既に自分のブログをお持ちの方、ロックは好きだけど自分でブログをやるのが面倒臭い方、どんな方でもお待ちしています。むしろロックなんてあんまり聴かないような方、大歓迎です。ご連絡ください。

sasaki004y@yahoo.co.jp

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