放課後、図書館からロック・ミュージック。

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【レビュー】 Snow Patrol『Eyes Open』

今回のレビューは、スコットランド、グラスゴーのバンド、スノウ・パトロールが2006年にリリースしたアルバム『アイズ・オープン』です。
間が空いてしまって面目ないです。


Eyes OpenEyes Open
(2006/05/09)
Snow Patrol

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ボクの印象

7点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 何回も聞きました。何回も聞けました。このアルバムを聞いているとき、よくわかりませんが『興奮の作り方』というマニュアルみたいなものを作ってしまいました。

 それでは『興奮の作り方』です。
 目と鼻と耳から受け取る情報が組み合わさって興奮が作られます。
自分が興奮する印象を作り出すのは景色とニオイと音だと思ってみましょう。
まず、景色の見方です。景色に見方などありません。むしろ見ないようにしましょう。見る意識を持つと興奮する基の景色は逃げてしまいます。景色は気づいたら捕まえています。
深呼吸をしましょう。目を半分だけ閉じましょう。5分だけ自分のためにだけ時間を使いましょう。その5分は何も考えないつもりでいましょう。ゆっくりとダラダラと歩いてみましょう。ほら、景色がいつもと違うでしょ? なんてことは他人には言いません。そんな胡散臭いことは嫌いだけど、ボクはやってみました。
ニオイのかぎ方です。ニオイにかぎ方などありません。なんでニオイなんて感じるのですか? と思ってみました。ちょっとうれしくなりました。
秋のニオイはボクだけじゃなく色んな人が大好きです。この時期のニオイは毎年、興奮せずにはいられません。
最後に音の聞き方です。音には聞き方があります。
なるべくウォークマンは聞かないようにしましょう。意識的にウォークマンを聞きましょう。音楽を聞くのって考えているより集中力が必要なんじゃないかな?

って具合にスノウ・パトロールを聞きながら思っていたことです。このような妄想は今回のアルバムを聞いているときにしか思いつきませんでした。どうしてもこのような妄想をしてしまうのはやっぱりこのアルバムの力なんだと思います。とても個人的なものだけどスノウ・パトロールを聞いて書かずにはいられない印象をあたえてくれました。


あとはこれでフロントマンのキャラさえ面白ければ

5点 ササキ・タカシ@管理人(26歳・男)

 2006年の話。アークティック・モンキーズのデビュー・アルバムが本国英国でミリオンセラーだったのに対して、ライバルであるザ・クークスの1stがそれと同等の売り上げだったことを凄く面白いなあと思ってたんですよ。きっとクークスはアークティックよりも女の子にウケたんだろうね。ここ日本での両者は比べるまでもなく、アークティックの方が洋楽のデビュー・アルバムとしては破格の成功を収め、片やクークスの方は大した話題にはなりませんでした。まあね、だってクークス、あんま日本のメディアには取り上げられてなかったもんね。欧米との温度差っていうのは、やっぱ出ちゃうよね。コールドプレイだって日本でブレイクしたのは3枚目の『X&Y』だったし。やっぱ日本の場合、ロック雑誌のパワー・プッシュがないとなかなか売り上げには繋がらないんでしょうね。もちろんジェットとかフラテリスとかミーカとか、例外もあるんですけど。
 で、本題。2006年の英国でアークティックよりもクークスよりも更にCDを売ったバンドがいまして、ま、それがスノウ・パトロールさんたちなんですど、なんと彼ら、本作『アイズ・オープン』を本国だけで200万枚以上、全世界で約500万枚を売りきったそうなんですよ。“ポスト・コールドプレイ”を目指して米国進出を試むも失敗しちゃう英国のバンドが多い中、彼らは現地の人気TVドラマのテーマ曲かなんかに起用されてちゃっかり人気者になっちゃったみたいなんですね。
 いやいや、わかりますよ。疑問に思うことは何もない。彼らのポップ・センス、ちょっと素晴らしいものがある。大体、何百万枚も売れちゃうようなバンドってメロウなだけで薄味なポップ・ソングばっかりだったりするじゃないですか? でも本作の面白いところって、メロウだしポップ・ソングとして強度はもちろんあるわけなんですけど、にもかかわらず妙にオルタナ風味と言いますか、要はインディ・バンド然としたとこがあるんですよね。コールドプレイみたいな叙情性がありつつも聴きざわりは身軽。ギターなんて結構分厚くてへヴィだったりするんですけどマッチョな印象があるわけでもなく。巨大なライブ会場でもプレイできそうなサウンドでありつつも、「自分のために歌われている曲」という錯覚を抱かせてくれるという、ね。自分で書いてて何言ってるんだかわかんなくなってきましたけれどもつまりね、恐ろしく多くの人の心に届く訴求力を持っていると言いますか、これ、僕みたいなオタクリスナーだけじゃなく、感受性豊かな10代の子たちとかでも凄え大好きなんじゃないかと思うんですよねえ。だって普通に好きな女の子とかに勧められそうじゃないっすか? 全国の男子中高生の皆さん、スノウ・パトロールがまだそんなに知名度が低い今がチャンスだよ! ガンバ!
 既に今年の10月には本作の次回作である4thアルバムがリリースされているみたいです。残念ながら、僕は未聴。 評判は上々らしいのですが、売上の方は本作と比べてどうなんでしょう? なかなか本作を上回るっていうのは、難しいっすよね。しかもここ日本ではまだ国内盤が発売されておらず、来年リリース予定だとか。なるほど、じっくりプロモーションしていく戦略に出たわけですね。わかります。じゃあ僕も国内盤が出るまで待ちましょう。いつか、全国の中高生がスノウ・パトロールの楽曲を口ずさむ日が来れば良いですね。それって素敵なことじゃない!? ガンバ! …ガンバって死語だなあ。


Snow Patrol - You're all i have


Snow Patrol - Hands Open [PV]


Snow Patrol - Chasing Cars


Snow Patrol - Open your eyes






今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・10月27日に最新アルバム『A Hundred Million Suns』が発売されるので予習の意味も含めて取り上げてみようかと思ってたんですが気が付いたら12月になってました。ダメダコリャ。

・しかし国内盤が発売されておらず日本ではちっとも話題になってないところをみると、前作であるこの『Eyes Open』もあんまし聴いてる人は多くないのかもしれません。

・売れてほしーですねー。



次回のレビューは、未定です。 必ずやります…
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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/12/08(月) 00:21:45|
  2. レビュー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

【レビュー】 ZAZEN BOYS『ZAZEN BOYS 4』

今回のレビューは、9月17日にリリースされたZAZEN BOYSの4thアルバム『ZAZEN BOYS 4』です。


ZAZEN BOYS4ZAZEN BOYS4
(2008/09/17)
ZAZEN BOYS

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元気をもらえるんだなぁ~

9点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 ササキさんが以前、ブライアン・ウィルソンのレビュー中で「幸せとか不幸せとか二の次で、人生は泣き笑いの連続なんだ」と言っていました。
 ボクはその言葉にとても共感しました。ボクはこの歳になって何が幸せで何が幸せでないのか、よくわからなくなってきています。そもそも分類できるのか? ということも含めて、そのことを、ボクが生きているこの世界で考えると落ち込まずにはいられません。なぜかネガティヴになっちゃうんだな。だからボクは真剣には考えません。でも常に頭の隅っこにはあります。つまりそのために生きているんだなとは思いつつもそんなの二の次、二の次なのです。
 毎日が泣き笑いの連続ではないけれど、毎日、多少なりとも頭の中がグチャグチャになるんだな。それはボクが小学生や中学生のときよりも多く感じます。だから当時よりちょっとだけ必死に生きている感じもします。不安もどんどん生まれてきます。ああ、このままじゃ死んでしまうな、なんか表現をしないと死んでしまうな、と思いました。だから文章や演劇で表現をすることでバランスが取れるんだろうなと思います。別にすばらしいものを作っているわけではないけれど表現をしているということでちょっと楽しく毎日を過ごせています。だから表現をすることが好きになって、もっと表現をしたくなって、でもシンドイのは嫌って感じで、もっとなんか表現する欲求みたいなのが湧きたい! と思ってもそんなものは都合よく湧くものでもなく、やっぱり毎日を退屈に過ごしてしまいがちです。
 そうですよ、そこで今回のアルバム『ZAZEN BOYS4』ですよ。ボクにとってこのアルバムはオンリーワンということしか考えられません。今までのザゼンボーイズのアルバムを聴いているから期待と不安でドキドキしましたが、そんなの忘れてしまいました。期待や不安なんて想像をするからそんな感情が湧くわけで、ボクの想像なんかできないところで聴こえてきた音楽はただただ楽かったのです。一方でザゼンボーイズは受け付けない人もいるだろうと思いますが、変な音楽をやっているなぁと思うだけで大満足じゃないかなぁ。ボクは変な音楽だなぁと思えただけで大満足でした。ボクももっと正直な表現ができたいいな、と元気をもらえます。
 生きていく元気をもらえるんだな。


わりと、寂しい

6点 ササキ・タカシ@管理人(26歳・男)

 聞いてなかったがっ。
 相変わらずだよなあ。「最先端だ!」と「最高峰だ!」とかじゃなくて、なんかもうオンリーワン過ぎて何も言えなくなる。本作は、いつにも増してフロントマン向井秀徳そのものだ。いや、そのものっつったら今までだって「そのもの」だったんだけどさ、今回はほら、なんかネガティブな面も垣間見れるっていうかさ、妙にしんみりした雰囲気で終わったりするじゃん。そこらへんにちょっと、ビックリ。いつもは爆笑で始まり爆笑で終わったからなあ。や、まあ今回も凄く爆笑させていただきましたけどね。イディオッツ! これってやっぱり狙ってやってるのかなあ。まさか天然じゃないだろうな。天然だったら凄えなあ。引くなあ。イディオッッ! もうね、電車の中とかで聴いてても顔がニヤケちゃってニヤケちゃって。どうしようもなかったすわあ。完全に笑いのツボがわかってる人間が作ってる音楽ですよ。言葉に爆笑、ギターの鋭さに爆笑、リズムの変態さに爆笑。「本能寺で待ってる!」って、なんだそりゃ(笑)。しかもバックで演奏されてるギターが凄えカッコいいの。超絶的なの。パラキュラッパラキュラ鳴ってるギターをバックにして滅茶苦茶カッコつけて「本能寺で待ってるッ!」って言ってんの。 思わず停止ボタンを押しちゃいましたよ! 何それ!? ごめん、ちょっと、シュール過ぎる。和田ラジヲの漫画じゃねえんだから。板尾創路の一言ネタじゃねんだから。
 さて、相変わらずなZAZENさんの今回のアルバム。僕はもちろん、最高傑作だと思っています。アルバム一枚としてのクオリティが抜群です。今までの3作は「今回はこんな感じでやってみたんだけど、どう?」みたいなニュアンスが強かったっていうか、“お披露目”であって“作品”としてはあまりにもまとまりに欠けてたように思うんですね。でも本作はコンパクトだし、曲順もスムーズだし、言いたいこともシンプルに言えてるような気がします。ちゃんとエンターテイメントになっている。それ以外は、正直言って全3作となんら変わりはありません。見習わなきゃなあ。自分そのものをここまでエンターテイメントに消化できる人間って、世界的に見ても稀だよなあ。関心するわ。
 でも、やっぱり何というかちょっと不満に思ってしまうのはね、ZAZENって結局、一発ギャグなんだよなあってところなわけですよ。要はインパクトが強すぎるせいで、消化不良になってしまうというかね。長くは聴いてられないんです。そういう意味で今回は結構、全3作よりかは良い感じになってはいるんです。四つ打ちのハウスっぽい曲とか、プリンスみたいなファンクっぽいのとか、あと前述したしんみりとした雰囲気とかね、後からじわじわくる部分もある。それでも、どうしても「本能寺で待ってるッ!」が目立っちゃうわけで、それに爆笑している自分に「こんなのを気持ち良く思っている俺のセンスって、アリなのか? ナシなのか?」って急に冷静になっちゃったりしてしまうわけで。難しいよなあ、リスニングの距離感が掴めないのも、まあ、相変わらずなわけです。
 ま、何にしたってZAZEN BOYS、他じゃ絶対聴けないような音楽であることにかわりはない。聞いてなかったがっ! こんなに音楽を聴いて笑ってしまったのは久しぶりでした。聞いてなかったがっ! 次回作も期待しています。願わくば、年に一枚くらいのペースで出してくれるとありがたいですね。ぜんっぜんっ聞いてなかったがっっ!


参考リンク

music life:ZAZEN BOYS 4 - livedoor Blog(ブログ)

ゆういちの音楽研究所: 向井秀徳暴走中??

放蕩息子の迷走 向井シュートクの孤独――Zazen Boys4――

ZAZEN BOYS - ZAZEN BOYS 4 - 論理哲学論評

2008-09-26 - We are up for sale -SSC出張所-

道祖神でガチンコ漁 : ZAZEN BOYS 4 - livedoor Blog(ブログ)


Zazen Boys - Asobi


Zazen Boys - Weekend






今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・前回と今回は、完全に永作くんの趣味です。

・いやもちろん、そうでなくともZAZENはいつかやりたいなあと思ってて、良いタイミングで新作をリリースしてくれました。


次回(10月4日更新)のレビューは、
Snow Patrol『Eyes Open』です。

テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/09/29(月) 02:05:13|
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【レビュー】 NUMBER GIRL『SAPPUKEI』

今回のレビューは、2002年に解散した日本のバンド、ナンバーガールが2000年にリリースしたアルバム『SAPPUKEI』です。


SAPPUKEISAPPUKEI
(2000/07/19)
NUMBER GIRL

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あぁ、好き。

7点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 「SAPPUKRI」を聴いているときだけボクの身体に流れる時間は早くなると思います。生き急ぐ感じで、やりたいことが胸につまってきてドキドキするの。
 「SAPPUKRI」を聴いていると自意識が吹っ飛びます。街中でウォークマンで音楽を聴きながら、身体や首でリズムをとる。客観的に見るとちょっとヘンなのか? でも仕方ない、身体が動いてしまうんやもんね。
歩くのが早くなる。
ガッツポーズをしたくなる。
信号待ちの横断歩道の一番先頭に出たくなる。
電車の座席に座れても立ちたくなる。
ご飯が食べたくなくなる。聴き終わると食べたくなる。
ついでに食べ物じゃないものも食べたくなる。
駅の細いポールにかぶりついてみたら、ちょっと満足できた。
くもりの日に聴くのがあっているような気がする。
聴いていると雨が降り出す。
鳥のフンも振ってくる。
猫が良く現れる。
あぁ「SAPPUKEI」好きやなぁ。
 どうしてこのアルバムをリアルタイムで聴かなかったんだろう、と思ってしまいます。ボクがナンバーガールを知ったのは解散をしたあとでした。最近思うのは好きな音楽ほどリアルタイムで聴きたいということで、音楽を聴きながら時間の距離感を想像すると興奮してきます。一緒に生とるかもしれんと想像できるし、そうゆう音楽の楽しみ方があることに気づけたのが今回のアルバムです。だからずっと前のアルバムなんだよな、と思うとテンションがどんどん下がっていってしまいます。


まさに、殺風景な時代の

4点 ササキ・タカシ@管理人(26歳・男)

 懐かしいなあ、ナンバーガール。彼らを初めて聴いたのは学生時代。大学で周りの連中がナンバガナンバガ言ってたんで、どんなもんかなと思って本作を聴いてみたんですね。いやー、わからなかったなあ。僕、USオルタナみたいなの苦手だし。ボーカルががなるのも苦手なんですよね。でも、みんなが良い良い言うもんだから「良いものなんだろうな」って思って何度も何度も聴きましたよ。若かったなあ、自分。おかげで鼻唄を歌える程度まで聴きこんだ頃には「ポップだな」って思えるようになって「SAPPUKEIは傑作だよね」なんて話も出来るようになりました。
 でもね、もし当時の自分に会えるならやっぱり言ってやりたいですよ。「お前、無理するなよ」って。だってお前、「傑作だよね」なんて言えるほどナンバーガールに夢中になれたか? 本作をきっかけにオルタナに対する偏見を捨てられたか? そんなことないよな。久しぶりに聴いてみて確信しましたよ。当時の僕は、ほんのちょっと「聴けるな」って思ったくらいで無理してわかったふりしてただけだったんですね。
 まるで恐ろしく巨大な敵と対峙したかのような爆裂のギターリフ。あまりにも分厚く鋭い低音とハイハットの高音が脳味噌の血管を駆け巡り埋め尽くしていく。この得体の知れない大きな塊に頭を殴れるような感覚に、少し、眩暈がする。インパクトは充分だった。とんでもない熱量だ。詩作はナンセンスでメランコリックで、時折、いかにも青春な爽やかさが顔を出す。ナンバーガールはやっぱり言葉の力が凄いなあ。わけはわからないけど何だか、凄い。一曲の中に必ずフックになるようなキャッチーなフレーズがある。ボーカルの向井氏はそれを力いっぱい、がなる。ファズをかけまくったギターが乗り移ったかのように、がなる。そうだ、本作は向井氏がギターそのものになっている。ベースであり、ドラムになっている。人間と楽器の境界線があやふやに溶け合った、もの凄いアルバムなのかもしれない。
 しかし、それでも本作を「傑作」だなんて今の僕には言えません。だって、猥雑じゃないですか。いやね、その猥雑さが本作の魅力なんでしょうし、そこはもう、聴く人の好みの問題になってしまうわけだけれども、僕には緊張感があまり感じられないんですよね。で、一番ネックなのがボーカルだと思うんですよ。がなり過ぎて、歌詞が聞き取れない。結構なデメリットですよ、それ。本作を評価している方々はそこら辺はどうお考えなんでしょう。少なくとも僕は「歌詞なんて聞き取れなくても関係なく素晴らしいバンド」だとは思わないんですけどねナンバガは。
 既に邦楽ロックのクラシックとなっている雰囲気の本作ですが、今の僕にはどうも時代を感じさせる作品となってしまったなという印象があります。実際、本作以降に本作と似たようなことやってるバンドが溢れかえっちゃって、もの珍しいサウンドでもなくなっちゃったしなあ。久しぶりに聴いて良かったですよ。わかったふり、なんて、するものじゃないっすね。僕には本作より好きな音楽が、たくさんあります。例えばね、みなさん知ってます? 僕、最近、ZAZEN BOYSってバンドを聴いてるんですよ。そのバンドの新作がね、凄いんですよ~。少なくとも本作『SAPPUKEI』よりずっと緊張感があって、ずっと言葉が胸に突き刺さってくる。そんな今の僕に、ナンバーガールを評価することは難しいです。
 

参考リンク

「Sappukei」 Number Girl:無責任批評:So-net blog

巻き舌の歌姫:NUMBER GIRL 「SAPPUKEI」

SAPPUKEI-光彩、共振、在。


number girl-urban guitar sayonara






今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・ナンバガをやるタイミングをずっと探してて。でも来週どうしてもZAZEN BOYSをやりたかったので、じゃあその前にナンバガやっちゃおうかと。

・『SUPPUKEI』はナンバーガールの代表作になっているようなので。



次回(9月28日更新)のレビューは、
ZAZEN BOYS『ZAZEN BOYS 4』です。

テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/09/23(火) 10:34:17|
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【レビュー】 TV on the Radio『Return to Cookie Mountain』

今回のレビューは、米国のバンド、TVオン・ザ・レディオが2006年にリリースした2ndアルバム『リターン・トゥ・クッキー・マウンテン』です。


Return to Cookie MountainReturn to Cookie Mountain
(2006/09/12)
TV on the Radio

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現在進行形のモダン・ロック

9点 マサ太郎(22歳・男) →Blogs Like Teen Spirit 2

前回のお題であったブライアン・ウィルソンの『スマイル』、投稿が間に合えば僕は9点か10点を付けただろう。しかし敢えてあの盤に文句を付けるのであれば、「昔は死ぬ思いで音の鳴りを研究しまくった人が、今は割と普通の技術で普通の録音をしてしまうこと」となる。それに対して今回のお題であるTVOTR、特にこのセカンド・アルバムは、これぞ00年代のロックと呼ぶに相応しい仕上がりとなっている。ニューヨークのブルックリンが生んだ人種の混成、緻密に作り込まれた折衷主義、そしてぶっ飛んだ音響…。アンティバラスのメンバーが持ち込んだアフリカ性もさることながら、黒人音楽への愛情はジャズ、ソウル、ゴスペル、あるいはドゥーワップにまで及び、白人的ロックへの理解はシューゲイザー経由のポスト・ロックにまで及んでいる。反歴史主義的なアヴァン・ロックが注目を集める今のブルックリンにおいて、歴史を踏まえた上で鳴らされる彼らの未来性は、そのポテンシャルにおいて既にレディオヘッドを超えていると言えよう。音の大まかな印象はある種の儀式音楽のようでもあり、愛と笑いが彩る世俗音楽のようでもあり、時代の混乱と悲しみを写し出した実にニューヨークらしいモダンなアート・ロックのようでもある。リスナーの感傷的な被救済体験を主語にすることなく語り継がれるであろう、現在進行形のロック・ミュージックがこれだ。音楽がファーストフードかトレーディング・カードかサプリメントのようになった今の時代に、「尻軽に色々なアルバムを聴くのではなく、一つのアルバムを繰り返すことがより実りあるリスニング体験になる」ということを教えてくれる、実に貴重な一枚でもある。そして、世界で最も待ち望まれていた未知なる新作が、今月23日にリリースされる。その仕上がりがどうであれ、それが今年一番の話題作になることは必至である。


ポールまたぎの宇宙

8点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 いつも無駄なことってやってしまうもので、歩道を歩いているときアスファルトから出ているポールをまたいでみたり・・・いやぁ、無駄なことで思いつくのはそれだけか。
なんでポールをまたぐかというと、股間にポールがあたらないようにポールと股下を調節してまたぐのがボクの日頃の挑戦なのである。なかなか高度な技術を要する。ポールと股間をスレスレでまたぐのがボクの美学で、瞬時にポールの高さを計算してまたぐ。うん、全く高度な技術を要しないね。
 つまりなにが言いたいのかというと、このくだらない習慣がボクの日常の重要な部分を占めていて、ボクと言えばこの何の役にもたたないことを真剣にしている人でこと足りてしまう。こんなこと他人には本当にどーでもいいことに違いないんですよね。
とにかくポールをまたぐのがボクです。
 ということを言っておいて今回のアルバムと何かつながるのかと言えば、ボクにはつながったのです。今回のアルバムを聴いていて音楽ってくだらないなぁって何回思ったことか。このアルバムはボクのほとんどの部分を満たしてしまっている。アルバムを聴いているとボクの人生だーなんて思って、こんな小さなアルバムでボクの人生がつまっちゃうのか? と寂しくなったりもして、でも聴くとスキっ腹がお腹一杯になった感じがして、もういいや、ボクもくだらないし、音楽もくだらないなと思っていたのです。
 ボクのくだらない部分の宇宙が満たされて、さて次はなにをしようか? と思っても何もする気が起きない。でも今回のアルバムでちょっとはみ出せた。今回のアルバムはボクのくだらないポールまたぎの宇宙を満足で満たしてくれて、もっとくだらない、もっとおもしろい宇宙があるかもしれないと感じさせてくれたの!
 そんな小さな宇宙を満たしてちょっとはみ出せるアルバムでした。


化石になった僕の耳を救ってくれ、TV・オン・ザ・レディオ

4点 ササキ・タカシ@管理人(26歳・男)

 「もうマーズ・ヴォルタとナールズ・バークレイとTV・オン・ザ・レディオがいればそれで良くね?」、そう思っていた時期が私にもありました。はい。本作がリリースされた2006年、僕は確かに一瞬でも、少なくとも一瞬でもそう思っていたのです。ところがどっこい、今回レビューをするにあたって久しぶりに聴き返してみたら、一体どういうことでしょう? あれ、あんま、グッと来ないぞ…。いっちょ大絶賛してやっかと思って選盤したのに、このサウンドの白々しさは、空々しさはなん、なん、だ…? たった2年だぞ? たった2年でこうも印象が変わってしまうものなのか? 原因はなんだ? 単に飽きただけ? 一気に時代遅れな音になってしまったのかな? それとも、僕の耳がこのイノヴェイティヴなサウンドについていけなくなったのか? ああ、「ついていけなくなった」! 大いにありうる! 最近、ビーチ・ボーイズとか聴き過ぎなんだよ、俺。いい加減新譜に手を出せよ。新しいもの好きな、珍しいもの好きなお前はどこに行ったんだ? 「TV・オン・ザ・レディオはロックの未来」というメディアの言葉を信じて疑わなかったお前はどこに行ったんだ?
 僕は彼らの音楽を本作一枚しか聴いたことがないのですが、それでも十分、本作に収録されている楽曲が新しいロック・ミュージックのプレゼンテーションとなっていることをちゃんと感じていたのです。非欧米的な民族音楽スレスレのリズム・セクションをベースにソウルの甘美的なグルーヴを突っ込んでノイジーなギターをかき鳴らしつつ音響派ロックみたいなデリケートな処理を施しました、っつう、言ってしまえばそれ幕の内弁当じゃん、っていう身も蓋もない、それでいて今まで誰もなし得なかった雑食性を持った新世代の“ロックンロール”。そう、2年前、本作は他のどのアルバムよりもロックンロールなアルバムだったんです。だって僕、初めて聴いた時、「なんかT-REXみたいだな」って思いましたもん。あ、こりゃグラム・ロックだ、と。もしかしたらデヴィッド・ボウイがゲストで参加してるからそう思っただけなのかもしれませんが、確かに当時は「アークティック・モンキーズの3倍はこっちの方がセクシーでしょ」って思ってたんですよ。アークティックにハマっていたリスナーたちを尻目に、得意気にそう思ってたんですよ!
 いったい、面白くなくなってしまった原因はなんなんでしょうね? 「飽きた」とか「聴く耳のセンスが古くなった」とか、内的要因だけだったら良いんですけどねえ。なんとなくここ2年の欧米のロック・シーンで『雑食的なポップ・ミュージック/アート・ロック』みたいなのが一気に消費され過ぎてしまってるんじゃないか、なんていらん心配をしてしまうんですよね。 今現在でもまだ、TVオン・ザ・レディオさんたちは新世代のロックの救世主として期待されているようですが、果たして今月にリリースされる彼らのニュー・アルバムは、僕の新しいもの好きアンテナを再びピンコ立ちにしてくれるんでしょうか。 ちょっと心配です。だって僕、最近、「やっぱヴァインズは最高だよね」とか思っちゃってるんですよ? ブライアン・ウィルソンの新作聴きました? あれ聴いちゃったら他の音楽なんて聴けねえよ! 嫌だなあ、ヴァインズもブライアンも、最先端な音楽なんて1ミリもやってないんだよなあ。


参考リンク

Blogs Like Teen Spirit 3 ~ポピュラー・ミュージックの過去と未来、そして今を語る~:【第13位】21世紀のロック名盤 (TV On The Radio) - livedoor Blog(ブログ)

TV On The Radio "Return To Cookie Mountain"|Back To Back


Wolf Like Me






今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・TVオン・ザ・レディオの新作『Dear Science』が9月24日にリリースされるので、その予習として。

・日本じゃ地味ですが、欧米では「'00年代を代表する傑作の一枚」みたいになってるらしいですよ、これ。



次回(9月21日更新)のレビューは、
NUMBER GIRL『SAPPUKEI』です。

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/09/15(月) 02:34:35|
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【レビュー】 Brian Wilson『SMiLE』

今回のレビューは、ザ・ビーチ・ボーイズのフロントマン、ブライアン・ウィルソンが2004年にリリースしたアルバム『スマイル』です。


SMiLESMiLE
(2004/10/04)
Brian Wilson

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泣き笑いの人生

9点 ササキ・タカシ@管理人(26歳・男)

 今年、父が仕事を辞めた。昨年、18歳で上京した時から実に37年間も働き続けた会社を退職し、元上司が独立して起業した会社に勤めることになったのだが、どうやらその元上司の破天荒な経営についていけなかったらしく一年あまりでその会社も辞めてしまった。今のところ次の仕事の目処は立てていないようで、彼は言わば人生初の無職者としての生活を送っている。と言っても、僕ら家族は彼の現状をあまりシリアスに考えているわけではなく、彼本人も長い夏休みみたいなものだと思っているようだ。仕事なんて探せばいくらでも見つかるし、失業保険だって何ヶ月かは貰えるしね。これと言った趣味もなく、暇をもてあますことに慣れていなかったからなのか最初のうちは働かないでいることに不安を抱えていたみたいだけど、最近は一日中テレビを見たりたまにウォーキングしたりしてわりとのん気に生活をしてる。
 社会人になって既に2度も職を変えている僕にしてみれば、38年間という長い年月には気が遠くなってくる。父はことあるごとに母に「自分は今の仕事は向いていない」と漏らしていたらしい。向いていないと思う仕事を38年間も続けてきたのだ。僕には理解できない。はたして父はこの38年間、幸せだったのかなあ。いや、たぶん幸せとか不幸せとかそんなものは二の次なのだろう。彼は僕ら家族のために、何より自分の存在意義を守るために、得意でない仕事とともに38年間生きてきたのだ。その長い年月の中で彼はきっと、僕のような若輩者にはわからない苦労やそして喜びを経験したのだろう。父ちゃん、他の誰が認めなくとも息子である僕だけは認めさせてほしい。あなたの38年間は、他のどんな時間よりも意味のある38年間だった。あなたの38年間のおかげで、たくさんの人間の笑顔が、涙が、様々な感情が生まれたのだ。
 本作『SMiLE』は、ザ・ビーチ・ボーイズのフロントマンであるブライアン・ウィルソンが1967年に挫折したものを37年の時を経て完成させた奇跡のような作品だ。「アメリカ史における風物」をたった47分のCDに凝縮したこのコンセプト・アルバムをブライアンは37年間かけてようやく完成させた。僕はブライアンがその37年間にどんな人生を送ってきたのか詳しくは知らない。きっと彼にも僕が想像もできないような苦労やそして喜びがあったのだろう。だからこそ本作には、その37年間の感情が是もなく否もなく無邪気に内在している。こんなアルバム、他に存在しないよ。ビーチ・ボーイズの『Pet sounds』が「思春期の刹那」を表現した最高傑作ならば、この『SMiLE』はひとりの人間の「半生」が滲み出た世界で唯一の傑作だ。組曲構成、ルーツ・ミュージック、お得意のコーラスワーク、おもちゃのようなサウンド・エフェクト、ロックン・ロール、そして窒息しそうになるほどのグッド・メロディ。それらを使って、喜びや悲しみなどの人間の根源的な感情が表現されている。そうなんだ、きっと幸せだとか不幸せだとか、そんなものは二の次なんだ。だって、人生は泣き笑いの連続なのだから。たった26年間の人生しか送っていない僕でも、この『SMiLE』を聴けばわかる。笑顔になるために、涙を流すために。人間が日々を生きる理由なんて、ただそれだけのことなんだ。
 僕には父やブライアンが今までどんな思いで生きてきたかなんて永遠にわからないだろうな。それでも今も彼は長い夏休みをのん気に過ごしているし、彼はこの2008年に完全新作のオリジナルアルバムをリリースした。そして、彼らの人生は依然として続いている。はは、「人生は依然として続いている」、だって! 「生きてるだけで幸せだ」なんて口が裂けても言えない。だからこそ「人生は依然として続いている」というありふれた奇跡に、さあ、笑おう。そして声を出して泣こう。波はまだあがっちゃいない。感情が空っぽになったらまたこの『SMiLE』を聴けばいい。願わくば、彼らや僕の今後の人生が、笑顔と涙でグシャグシャであらんことを!


ちょっと足踏みでもしてみるか

6点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 心地良いことはいいことなのだろうか?! 今回のアルバム「スマイル」心地いいよ。お腹にやさしいよ。しかし同時に思ったことが心地いいっていいことなのか? と思ったのであります。
 どうもボクは癒されるというのが苦手で癒されると記憶がなくなる感じ、これわかるかなぁ? ものごとはうまくいっていると何もしたくなくなるみたいです、ボクは。でも何もしていないと小さくなるんだな。消えてしまう!
 だから心地いいと危ない、危ないと思ってしまうのです。それくらい今回のアルバムは聴いていて力を抜いて眠ってしまうのです。
 聴くもんじゃねえな。と思いながら聴いてしまう。仕事の休憩時間に聴いたら仕事なんてしたくなくなる。あぁ聴くもんじゃない!
 でもな!
 友達と交換日記小説みたいなのを書いていて、なかなかその友達とかみ合わない。一方的なんだな、ボクが。でもそれが楽しいと思えたのは今回のアルバムを聴いていたからだろうと思う。というのはこのアルバムが前に進んでいない感じだから。このアルバムを聴いて足踏みをして、止まらないで、足踏みをして、そんなこともおもしろいんじゃないかな。かみ合わないのもおもしろいや。途中で終わってしまってもいいや。なんかそんな心持ちになれたアルバム。
 それがいいことか悪いことかもうちょっと時間がかかるなあ。


参考リンク

SAMARQAND淫美ブログ---アルバムを紹介する音楽ライブラリー、及び映画、格闘技、コンピューター、グルメ、コミック情報を提供しております。

音楽の杜 : Brian Wilson 「SMiLE」 (2004)

Brian Wilson presents "Smile" - 酔人の愛聴盤 - Yahoo!ブログ

Music Collection: Brian Wilson "SMiLE" (2004)

Rock and Movie Reviews : The Wild and The Innocent : Brian Wilson "SMiLE"(2004) ~素晴らしい新作~

プログレを語ろう: Smile / Brian Wilson

TURNITONのディグアポニー | Brian Wilson 「Smile」






今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・今回は完全に僕の趣味です。特に理由はございません。

・というわけで、ブライアン・ウィルソンの完全新作『That Lucky Old Sun』、絶賛発売中です!



次回(9月14日更新)のレビューは、
TV on the Radio『Return to Cookie Mountain』です。

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/09/12(金) 00:11:00|
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【レビュー】 Bright Eyes『LIFTED or The Story is in the Soil,Keep Your Ear to the Ground』

今回のレビューは、米国のシンガーソングライター、ブライト・アイズが2002年にリリースしたアルバム『LIFTED or The Story is in the Soil,Keep Your Ear to the Ground』です。


Lifted Or the Story Is the Soil: Keep Your Ear toLifted Or the Story Is the Soil: Keep Your Ear to
(2002/08/13)
Bright Eyes

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僕にとっての「アメリカ」

9点 ウォルラス(21歳・男) →白い薔薇は黒い薔薇 part2

 個人的に次作「I'M WIDE AWAKE, IT'S MORNING」が10点で「Cassadaga」が8点。ブライト・アイズは僕にフォークやカントリーの素晴らしさを改めて教えてくれた大切な存在です。ボブ・ディランやニール・ヤングがいかに素晴らしくても僕にはブライト・アイズのほうが重要な存在だ。

 自分のブログでも書いたけど僕は「声」に魅了された。不安や孤独、混乱といった負の要素さえ包み隠そうとせず歌い、そんな苦難の連続から辿り着いた喜びや誇りもコナー・オバーストは聞く側が震えるような圧倒的な声で歌っている。言っていることが全て解るわけでは無いけど、やっぱり僕はこの歌に感動してしまう。初めてこの「声」を聴いた時、本当にゾクゾクした。それまでカントリーやフォークといった音楽があまり好きでは無かったけどブライト・アイズに出会えた事でそんなこともなくなった。 

 タイトルの「アメリカ」は僕にとってメロコアやエモ、ギャングスタ・ラップがアメリカの音楽ではなく、こんな歴史が繋がっていると認識できる音楽こそアメリカの音楽だと信じているからです。コナーのソロ・アルバムも良かったです。僕にとって数少ない次の作品が楽しみなアーティストの一人です。


救済なんて信じちゃいけない

6点 ササキ・タカシ@管理人(26歳・男)

 ファンの人には悪いですけどね、このブライト・アイズことコナー・オバーストという男、かなりのハッタリ野郎ですよ! とにかく一曲一曲全て大袈裟、人の中にある負の感情を煽って先導して、そのくせやたら感傷的に、いかにも「僕は傷付いてます」風な曲が続くもんですから、僕も危うく涙が出てしまうところでした。危ない危ない。僕を洗脳しようだなんて、百年早い。新時代のディランなんて形容されているわけですがね、なるほど、こいつは20世紀最高のペテン師ボブ・ディランに匹敵するようなどうしようもないやつですね! 大袈裟が過ぎる! 同じ大袈裟でもね、ルーファス・ウェインライトとかが天然で大袈裟なサウンドを鳴らしてるのとは違って、こいつは完全に確信犯的にねらってやってますからね。どっちかっていうとアーケイド・ファイア寄りです! つまり、意図が見え見えなんですよ!
 何よりね、この歌声がまた酷い。わざとらしく声を震わせて! ロバート・スミスにでもなったつもりですか!? 一時期、インディ・ロック系のアーティストでこういうヨレヨレ歌唱が流行りましたけどね、全部こいつの悪影響ですよ! 他の人はみんな「リバティーンズの影響だ」とか仰ってますけど、僕は騙されません。だってこいつ、10年前からこんな歌い方なんですよ!? ヨレヨレに唄いさえすればエモーショナルに聴こえるとでも思ってるんでしょうかね? 危うく僕もこのボーカルに鳥肌を立ててしまうところでしたよ! 危ない危ない。僕をたぶらかそうなんて50年早い。そしてこの胡散臭いのが詩作! 何なんですがこの散文詩は!? ただのミュージシャン風情が、文学者にでもなったつもりですか? 『引き上げ、あるいはあなたが地面に耳を傾ける田園の物語』って何でしょうかね、この面倒くさいタイトル。詩の中身も、怒り、悲しみ、孤独、挫折を率直に、かつシニカルに描いていて、まるで自分だけが被害者かのようなナルシストっぷり! しかもさんざばら愚痴っぽいことを唄っておいて、最後の曲のタイトルが『(愛し愛されるために)自分自身をクソ扱いするのは止めよう』ですからね。危ない危ない。さすがの僕も、これには危うく救われた気持ちになってしまいそうになりましたよ。しかし、僕を心変わりさせようなんて10年早い。
 極めつけはこのサウンド。フォークやカントリーなど、自身のルーツを惜しみなく、時にはオーケストラなどを交えていかにも嘘偽りない感情を音にしているように聴こえる。一聴して、若々しさ3倍増しのニール・ヤングのように思いましたが、いやいや、騙されちゃいけません。こいつ、かなり計算してルーツ・ミュージックを“使って”いる。特にワルツのようなリズムと甘美的なオーケストラが心に響く3曲目“False Advertising”は白眉ですね! 途中のブレイクの小芝居も含めて、狙いが全くブレていない。最初の3曲でこの物語の世界に入ってしまったら、もう後戻りは出来ません。ラストの2曲まで、あっと言う間です。全13曲70分以上、そのテンションの高さゆえ、実質的な長さを感じさせない作りになっている!
 いったい、これは何なのでしょう? こいつは、9.11後の全ての人間に宿る負の感情を一手に引き受け、それをまとめて救済しようとでもしているんでしょうか? ふん、片腹痛い。そんな大それたことが出来るわけないじゃないですか。やはりこいつはとんだハッタリ野郎ですね。結局、どんなに大袈裟な音や言葉を並べたとしても、このアルバムには人間ひとりのパーソナルな感情だけしか、それだけしか表現されてませんよ。大したアルバムじゃあない。まるで、人一倍臆病な癖していつも口だけは大きい、僕みたいな、矮小なアルバムですね、これは。


強い、匂い香る賞味期限の切れた濃い飲み物

4点 永作佳紀(23歳・男) →創作集団 Ditto

 ウンコが出そう・・・。
 ブライト・アイズの歌声を聞いていたら思わず力が入ってしまう。搾り出している感じ。それがボクの身体に伝わってくるのです。
 ということを感じたのですが、この感じが伝わってくる感じが気持ちよかった。声が全面に出ている曲たちとでも言いましょうか。最初聞いたときはそれが退屈で仕方がなかったのです。楽器の音が後ろにいって、声が全面に出ているのはおもしろくない。しかも声がキレイなだけだったらもっとおもしろくない。でも、ちょっと待てよ。ブライト・アイズの曲たちは声が汚いな。汚いって失礼だな。「聞いてくれ!」って叫んでいるのが伝わってくるような声。いや、声だけじゃないな。楽器たちも「聞いてくれ!」って叫んどる感じ。それが想像できるようなアルバムだったのです。
 だからライブ行ったら楽しいだろうなって思いました。アルバムを聞きながらバンドを想像しました。すごく想像しやすかったのです。それはひとつひとつの音がフラットだからかなぁ。声が前に出ていると言いましたが、音の大きさは全部同じように感じました。それが聞き慣れていない不愉快さでもあり、バンドを想像しやすかったという理由でもあります。
 それに古臭い感じもありました。自分の親の色あせた写真のような古臭さ。髪型古臭いよね~、服装ダサいよね~、表情微妙だよね~、と自分の親の写真を見るとなんかそんな恥ずかしさがあるのです。でも嫌いじゃないんだな。それをしっかり感じることができる当時の雰囲気。強いよな~。そんなアクの強さがこのアルバムにはあると思います。


Bright Eyes - Bowl of Oranges





今回の選盤理由(ササキ・タカシ@管理人)

・とにかく、シンガー・ソング・ライター系のレビューをしたかったのです。

・コナー・オバースト名義の新アルバム『Conor Oberst』が8月5日、国内盤では9月10日にリリースするので、そのタイミングで。


次回(8月31日更新)のレビューは、
Gorillaz『Demon Days』です。

テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

  1. 2008/08/26(火) 02:19:00|
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プロフィール

ササキ・タカシ


このブログは、80年代に生まれ90年代の音楽を愛した、心は14歳、体は20代のロック少年が、2000年代に発売されたロック・ミュージックをレビューする感想サイトです。

点数基準
10点→生涯の名盤。
9~8点→夢中になれる傑作。
7~6点→良いアルバムだと思う。
5~4点→普通に聴ける。
3~2点→ちょっと退屈。
1点→良さがわからない。
0点→不快。

2009年5月より、採点の仕方をちょこっと変更。
pitchforkにならって点数を小数点第一位まで表示。
管理人の採点をちょっと甘めにしました。

当ブログで記事を書いていたただける20代の方、募集中です。レビューが書きたくてたまらない方、既に自分のブログをお持ちの方、ロックは好きだけど自分でブログをやるのが面倒臭い方、どんな方でもお待ちしています。むしろロックなんてあんまり聴かないような方、大歓迎です。ご連絡ください。

sasaki004y@yahoo.co.jp

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